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国内ファイバーチャネルスイッチ市場、他の接続環境との競争によりマイナス成長を予測~IDC Japan調査
(2015/11/27 18:11)
IDC Japan株式会社は25日、国内ファイバーチャネルスイッチ(FCスイッチ)市場の実績と2019年までの予測を発表した。
SAN(Storage Area Network)の主要コンポーネントであるFCスイッチの出荷金額は、2014年が168億1600万円(前年比4.1%減)、2015年が162億9600万円(同3.1%減)と推計。2014年~2019年の年間平均成長率はマイナス3.5%を予測している。
FCスイッチは、フィクスドポートスイッチ、シャーシスイッチ、ブレードサーバーエンベデッドスイッチで構成されており、フィクスドポートスイッチとシャーシスイッチの出荷金額が2年連続のマイナス成長となったことで、市場全体としてもマイナス成長となったと分析。フィクスドポートスイッチは、台数やポート数の伸び率が低くなると共に、ポート単価の低下が進んでいることが出荷金額のマイナス成長につながったとしている。
また、シャーシスイッチの出荷金額は大型案件の有無に大きく左右されるが、通信事業者向けなどの大型案件がなかったことから、2013年、2014年は連続してマイナス成長となり、2015年はブレードサーバーエンベデッドスイッチを含めた3製品ともマイナス成長が予測されるとしている。
FCスイッチの今後については、導入実績や可用性、パフォーマンスなどの面からSANの主要コンポーネントとしての重要な位置付けを保ち続けるが、ポート単価の低下が進んでいることに加え、ネットワークストレージ市場では他のプロトコル(iSCSI、NAS、InfinBand、FCoEなど)との競合も激しくなっていることから、2014年~2019年の年間平均成長率はマイナスになると予測している。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ/IPDS/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「予測期間を通して、エンタープライズストレージシステム市場において、フラッシュデバイスを搭載したハイブリッドフラッシュアレイ(HFA:Hybrid Flash Array)やオールフラッシュアレイ(AFA:All Flash Array)市場が拡大していくと予測される。HFAやAFAが増加し、そこで管理されるデータが増加することで、HFAやAFAが接続されるストレージネットワークには高速性、可用性、信頼性などが求められる。FCスイッチはHFAやAFAに適した稼働実績が高く、安定性のあるストレージネットワークとして需要開拓を着実に進めていくべきである」と分析している。