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ソフトバンクテレコム、グローバルで共通したクラウド基盤「グローバルクラウドファブリック」

同基盤を利用したDaaSなどのクラウドサービスも提供へ

 ソフトバンクテレコム株式会社は23日、エンタープライズ向けのクラウド基盤として「グローバルクラウドファブリック」を構築したと発表した。また、このクラウド基盤を用いた「ホワイトクラウド デスクトップサービス Viewタイプ」「ホワイトクラウド VMware vCloud Datacenter Service」について、同日より申し込みの受付を開始する。

 「グローバルクラウドファブリック」は、世界で統一された基準のマネジメント機能を備えるクラウド基盤。IaaSやSaaSといったサービス種別、プライベート、パブリック、ハイブリッドといったクラウド提供形態、そして提供する場所(国内外)を問わず、グローバルビジネスを展開している顧客の、すべてのITシステムにおける全世界共通基盤になるという。

 ハードウェアには、ワールドワイドで同品質のシステム調達が可能な、VCEの垂直統合型システム「Vblock System」を採用。CPU、メモリ、ストレージといったサーバーの構成要素の仮想化に加え、ネットワークも含めたデータセンターの構成要素すべてを仮想化し、「仮想データセンター」を実現しているとのこと。これにより、リソースの拡張や設定変更などについて物理的制約を受けず、迅速な展開を可能にしている。

 また、東京と大阪の2カ所に構築した仮想データセンターと、通信事業者ならではの大容量バックボーンネットワークを組み合わせることで、万が一の災害時にも迅速にシステム復旧を行えるディザスタリカバリ(DR)機能を提供する。

 さらに、「グローバルクラウドファブリック」上で提供されるすべてのクラウドサービスでは、ユーザー企業の全世界のIT資産を一元管理できる、グローバルクラウドカスタマーポータル機能を提供する。このポータルを通じて、複数の仮想データセンターにおけるITリソースの準備や利用、システムの構成変更などを自由に行えるため、企業が海外進出する際にも、迅速なシステム構築が可能になるとした。

 なお、ソフトバンクテレコムでは今後、「グローバルクラウドファブリック」をベースにしたクラウド基盤を欧米やアジアでも展開する考えで、海外でもより高品質なITソリューションを提供するとのこと。

 具体的なクラウドサービスとしては、ヴイエムウェアの仮想化デスクトップ製品「VMware Horizon View」をベースとしたDaaS(仮想デスクトップサービス)「ホワイトクラウド デスクトップサービス Viewタイプ」と、IaaSの「ホワイトクラウド VMware vCloud Datacenter Service」を用意する。

 前者は、Windowsデスクトップの機能をクラウドサービスとして提供するDaaS型のサービスで、ワークスタイルの変革も含めて取り組めるため、Windows XPの環境移行を検討しているユーザーにとっては、戦略的な移行の選択肢になるとした。

 一方、後者では、従来のサービスを拡充し、リモートバックアップとDRの実現、仮想マシン稼働率99.99%を保証するSLA(品質保証制度)の適用などを行っている。

石井 一志