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日立ソリューションズ東日本、プロジェクト管理統合プラットフォームの最新版

オンプレミス版に加えクラウドサービスも提供開始

日立ソリューションズ東日本 取締役の八田直久氏

 株式会社日立ソリューションズ東日本は12日、工程の一元管理および基幹システムや表計算ソフトなどとのデータ連携を実現する次世代プロジェクト管理統合プラットフォーム「SynViz S2(シンビズエスツー)」を提供開始したと発表した。

 「SynViz S2」は、プロジェクトや工程の可視化・改善ツールとして同社が2002年に発売した、「SynVizシリーズ」の最新版となるもの。「SynViz S2」の開発経緯について、日立ソリューションズ東日本 取締役の八田直久氏は、「当社では、製造業の設計・開発プロジェクトや、企業における情報システム開発プロジェクトなどまで、案件・物件・プロジェクト工程管理の分野において、20年にわたる豊富な導入実績をもっている。そして、プロジェクトの見える化による業務改善などを支援するツールとして、『SynVizシリーズ』は、約280社10万ユーザーに活用されている。このプロジェクト工程管理ノウハウの集大成として、今回の最新版『SynViz S2』を開発した」と説明している。

 「昨今では、市場環境の変化やグローバル化、製品の短サイクル化にともない、迅速かつ的確なプロジェクト管理へのニーズが拡大しており、プロジェクト管理ツールの市場は、今後もさらに成長することが見込まれている。こうした中で、『SynViz S2』は、オンプレミスでの販売に加えて、7月にはクラウドサービスでの提供も開始する予定。これにより、プロジェクト管理の高度化・効率化を強力に支援していく」と、クラウドサービスの提供も含めて、今後の拡販に意欲を見せた。

日立ソリューションズ東日本 第二ソリューション事業統括本部 担当本部長の内海由博氏

 「SynViz S2」の大きな機能強化ポイントは、これまでの工程表の自動展開、編集、ドキュメントなどの成果物登録といった工程管理機能の実装だけでなく、業務のポータル画面としてプロジェクトの運営に関連したデータの統合管理を実現している点だ。同社 第二ソリューション事業統括本部 担当本部長の内海由博氏は、「『SynViz S2』の開発に当たっては、約280社のユーザーからの声を基に、『シンプル』『スムーズ』、そして『つながる』の3つのキーワードをコンセプトに機能強化を行った」としている。

 具体的には、さまざまなシステムとデータ連携ができるようプロジェクトダッシュボードを提供。Web APIを充実させ、カスタマイズやアドオンの開発を容易にすることで、「SynViz S2」をポータル画面として、コスト・生産性などプロジェクトの運営に関連したデータの統合管理などを可能にした。また、ガントチャート上のマイルストーンやタスクに成果物を登録し、一元管理することが可能。URLを登録することもできるため、文書管理システムとの共用も可能となった。

プロジェクトダッシュボードの概要
「SynViz S2」のデモ画面

 さらに、Web環境での機能・操作性を大幅に向上しており、「ユーザーの業務特性を徹底的に分析し、従来の操作時間の3分の1で操作できるようにした。また、以前から評価の高いチャート描画を継承し、描画性能を3倍に向上した。期間3年、600タスクのプロジェクト初期描画を約6秒で実現する」(内海氏)という。

 なお、7月から提供予定のクラウドサービスは、堅牢な日立データセンター上で、国内最大規模約5万社が利用する企業間ビジネスメディアサービス「TWX-21」の環境を利用。これにより、ネットワークが異なる社外の関係者と利用したい、自社システムと連携したいといった、顧客のニーズや業務に合わせた導入が可能となる。

 「SynViz S2」の価格は、オンプレミス版が同時10ユーザー(DBレス)で350万円(年間保守料42万円)、同時10ユーザー(DB組み込み)で370万円(年間保守料45万円)。クラウドサービスは、登録10ユーザー、1GB利用時で月額2万5000円(問い合わせ、保守料込み)となる。同社では、今後3年間で30億円(周辺SIを含む)の販売を見込んでいる。

【お詫びと訂正】
初出時、クラウドサービスの金額を月額1万5000円としておりましたが、正しくは2万5000円となります。お詫びして訂正いたします。

(唐沢 正和)