ユニアデックス、VDI環境でストレージ性能のボトルネックを解消するソリューション


 ユニアデックス株式会社は20日、仮想デスクトップ(VDI)環境でストレージ性能のボトルネックを解消するソリューション「VDI ストレージ・ブースター」を提供開始すると発表した。ハイパーバイザー上で動作する仮想アプライアンスに、ユニアデックス独自の設計・導入・保守サービスをセットにしてパッケージ化されている。

 VDI環境では、サーバー上で複数の仮想デスクトップが稼働するという仕組み上、始業時の起動、アプリケーションの起動、パッチ適用、ウイルス対策ソフトのアップデートやスキャンなどを同時に行うことが多いので、共有ストレージへのI/Oが急上昇し、そこが性能上のボトルネックになることが多い。これを防止するために、高性能なSANストレージを複数のサーバーで共有することが一般的に行われているが、ストレージのコストが増大してしまう点が課題だった。

 今回、ユニアデックスが提供する「VDI ストレージ・ブースター」は、VDI環境におけるサーバー側の内蔵ストレージを仮想化・高性能することで、こうした課題を解決した。

 具体的には、仮想デスクトップのリード/ライトを「VDI ストレージ・ブースター」がいったん受け取ることで、ストレージに対するI/Oを激減させる仕組み。Windows 7のストレージアクセスでは4K未満のパケットが多発するが、VDIでは多数のユーザー環境が集約されることで、パケットがランダムアクセスとなりストレージパフォーマンスを著しく低下させている。「VDI ストレージ・ブースター」ではこの点に着目し、メモリ上に各ユーザーのパケットをキャッシュして、最大64Kにまとめて高速化を図るほか、重複排除機能によって、データ容量も平均75%削減できるとのこと。

 また、システムを拡張する際には仮想デスクトップ用のサーバーを増設するだけで性能向上を図れるので、ネットワークやストレージに関する専門スキルも不要となり、運用管理面においても大幅なコスト削減を実現するとしている。

 ユニアデックスの試算によれば、こうした初期構築時と運用時における両面の効率化の結果、500クライアント時で約900万円、2000クライアント時で約1億円、5000クライアント時に約2億3000万円のコスト削減を実現するとのことだ。


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(石井 一志)
2012/11/20 12:21