富士通、ビッグデータ活用を支援するHadoopベースのミドルウェア~信頼性と処理性能を向上


 富士通株式会社は27日、“ビッグデータ”の並列分散処理を実現するソフト「Interstage Big Data Parallel Processing Server V1.0」を発表した。オープンソースソフト(OSS)であるApache Hadoop(以下、Hadoop)をベースに、信頼性と処理性能を向上させたほか、短時間でのシステム導入を可能にしているという。販売は同日より開始される。

 新製品は、企業でのビッグデータ活用を支援するソフト。Hadoop 1.0.0をベースとしており、Hadoopの標準ファイルシステムである「HDFS(Hadoop Distributed File System)」と、富士通の分散ファイルシステムを組み合わせることで、データの信頼性が向上しているという。

 具体的には、分散ファイルシステムにより、ストレージシステムと組み合わせてデータの信頼性を高めるとともに、Hadoopの単一障害点を、富士通のクラスタ技術を用いたマスターサーバーの二重化運用で解消し、高い信頼性を実現している。

 また、Hadoopでのデータ処理の際、ストレージシステムに格納したデータへ直接アクセスして処理できるので、使用するデータをいったんHDFSに転送してから処理するHadoop標準方式と比べて、処理時間を大幅に短縮できるとのこと。加えて、データを格納するファイルシステムとのインターフェイスは、HDFS互換インターフェイスとLinux標準インターフェイスをサポートしており、バックアップや印刷などの既存ツールをそのまま活用できるようにしている。

 さらに、富士通のスマートソフトウェアテクノロジーに基づく「スマートセットアップ」により、あらかじめ作られたシステムイメージを複数サーバーへ一括配備し設定できることから、システム導入やサーバー増設が短時間で行えるとしている。

 新製品の価格は60万円(税別)からで、4月末の出荷開始を予定するとのこと。対応OSはRed Hat Enterprise Linux 5/6(Intel64)。

 また今回、富士通では、Hadoopを含めた初期導入サービス、サポートサービスの提供により、企業におけるビッグデータの活用を支援する考えで、Hadoop導入時の構成設計、インストールやサポートサービスを、まず2月末から提供。新製品の出荷にあわせて、その初期導入サービスやサポートサービスも提供する。


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