日立、外気を用いたモジュール型データセンター向けの冷却システム～28度以下で使用可能

　株式会社日立製作所（日立）は23日、「モジュール型データセンタ」の冷却システムとして、外気を利用した冷却を行える「外気導入冷却システム」を追加すると発表した。5月24日より販売を開始する。価格は個別見積もり。

　「外気導入冷却システム」は、28度以下の外気を利用して、サーバーやストレージなどのIT機器を含めた、データセンター設備全体を冷却できるシステム。1年を通して冷涼な地域での運用に適しており、フィルタや加湿装置などで外気に含まれる粉じん、化学物質などの除去と湿度調整を行って、設備全体を冷却する。

　外気の温度が、IT機器の冷却に適する12度以上28度以下の場合には、直接外気を取り込んで冷却に使用。また12度よりも低い場合は、サーバーからの排熱を外気と今後することで、適温に調節する仕組みで、これによって、空調システムにかかる電力コストを、従来の空調方式と比べて最大88％削減するとした。

　さらに、データセンター内のサーバールームや企業のマシン室などといった既存の建物内への構築に加え、屋外のプレハブ型データセンターとして構築することもできる。

　なお、この冷却システムはすでに、国立大学法人東京大学の「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」で使用するデータセンター設備に採用されているとのことだ。