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竹中工務店、既存建物内に導入できるモジュール型データセンター

 竹中工務店は、既存建物を利用し、必要な時期に必要な台数のサーバーを設置・増設できるモジュール型データセンター「SEED BLOCK DC」を開発した。

「SEED BLOCK DC」標準モジュール(6ラック×2列、約30平方メートル)

 SEED BLOCK DCは、サーバーラック数台に対して、空調機や分電盤などデータセンターに必要な機能や免震装置もワンパッケージにした、コンパクトなデータセンターモジュール。

 立地が良い都心の既存建物を利用して、最新のデータセンターやサーバー室をコンパクトに実現したいというニーズに対し、オフィスの一部や会議室など小さな面積でも1モジュール単位で設置・増設できるのが特長。

 サーバー冷却用の空調機をサーバーラック列の端部に配置した「ラック列型空調」を採用。このためラック上下に空調用の空間が不要となり、天井高も2.6m以上あれば設置できるという。

 ラックの前面・背面はパネルなどでキャッピング(密閉)し、保守通路(コールドアイルとホットアイル)にのみ空調を行う。空調機にインバータ制御が可能な直流ファンを搭載し、高効率な省エネ空調を実現する。また、サーバーの稼働状況に連動し、空調機の風向やファン風量をリアルタイムに変化させる技術も採用。これらにより、PUE値は1.1台を達成したとのこと。

 導入は最短3カ月。空調機・分電場の冗長設計が可能。既存建物の状況に合わせ、建物側設備(冷却水・電気・通信など)も冗長化が可能という。

技術研究所内のモックアップ

 なお、同社技術研究所(千葉県)にて稼動実験も実施中。SEED BLOCK DCのハーフサイズのモックアップを設置し、模擬負荷をかけて稼動させ性能を確認した。引き続き、主に空調性能に関するデータ収集を行い、より効率的なデータセンター構築・運用の提案に生かしていく考え。

川島 弘之