国内プライベートクラウド市場、年平均30.7％で急成長へ～IDC Japan予測

　IDC Japan株式会社は2日、国内プライベートクラウド市場の2009年実績と2010年～2014年予測を発表した。2009年の市場規模は984億円。2009年～2014年の年間平均成長率は30.7％、2014年の市場規模は3759億円になると予測している。

　プライベートクラウドは、個別企業または企業グループのみが利用可能なクラウドコンピューティング。2008年に立ち上がったパブリッククラウド市場の課題とされる「セキュリティ」や「レスポンス」での不安を解消するため、企業内にクラウド環境を実現するプライベートクラウド市場が立ち上がり、現在ではパブリッククラウドよりも大きな市場を形成している。

　2009年のプライベートクラウド市場規模は984億円となった。2010年は前年比成長率26％、市場規模1240億円と予測。景気後退期に培われたコスト削減や、リソース効率活用に対する意識がプライベートクラウドの導入を後押しするという。

　また、2009年～2104年の年間平均成長率は30.7％で、2014年には3759億円に達する見込み。今後、業務標準化の普及といった企業環境の変化や、仮想化の拡大といったITの改革を背景に、国内プライベートクラウド市場は成長を続けると見ている。

　なお、2010年7月に実施したユーザー調査で、プライベートクラウド導入検討中の企業にシステム構築予算を尋ねると、今後は500万円未満の小規模案件が増加することが判明。これを受けてIDC Japanでは「ベンダーは潜在需要の大きい予算規模500万円未満の小規模ユーザーを積極的に取り込むべき。そのためには、小規模プライベートクラウドの効率的な構築方法を用意すべきだ」と分析している。

国内プライベートクラウド市場 市場規模予測：2009年～2014年（出典：IDC Japan）