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NTTドコモビジネス、IoT向けNaaS「docomo business SIGN」にソブリンAI連携の新機能と大規模対応「Pro」メニューを追加
2026年9月25日 06:30
NTTドコモビジネス株式会社(旧社名:NTTコミュニケーションズ株式会社)は、セキュリティなどの機能を標準搭載したIoT向けNaaS(Network as a service)サービス「docomo business SIGN」において、新機能と新メニューをそれぞれ9月24日に発表した。
1つ目は、「docomo business SIGN」の「Advanced」サービスメニューにおいて、同社通信網内でソブリンAI環境を提供するものだ。通信網内に置かれたMEC(Multi-access Edge Computing)サーバー(エッジサーバー)と同社の「GPUaaS」サービスを直結して提供。対象としてはフィジカルAIを想定する。2026年12月に提供開始予定。
2つ目はdocomo business SIGNのラインアップの新メニューで、数万回線規模の一元管理や、数十カ国にわたるグローバル利用に対応した「Pro」サービスメニュー。IoT向け次世代eSIM規格「SGP.32」にも対応しており、IoT機器事業者側から製品にeSIMプロファイルをダウンロードして切り替えることができる。2027年3月に提供開始予定。
網内でフィジカルAI向けにソブリンでスケーラブルなAI環境を提供する「MEC×GPUaaS」
同日に開催された記者説明会では、NTTドコモビジネス株式会社の小嶺一雄氏(執行役員 プラットフォームサービス本部 IoT&フィジカルAIサービス部長)が、この2つの新発表について説明した。
まず「MEC×GPUaaS」について。これは、docomo business SIGNのモバイルネットワーク内のMECサーバー基盤と、1GPUから従量課金制で利用できる同社のGPUクラウドサービス「GPUaaS」(9月17日発表)を直結して提供するものだ。
アプリケーションをMECサーバーで、そこから使うAI推論機能をGPUaaSで動かすことにより、データ収集・蓄積からAI推論までを、NTTドコモビジネスの網内で完結でき、ソブリンAIを実現できる。「MECとGPUaaSを組み合わせ、ソブリンなAI環境をサービスメニューとして提供するのは国内事業者としては初」と小嶺氏は言う。
さらに、MEC×GPUaaS上のマネージドコンテナ実行基盤も、2027年度に提供を予定している。
なおエッジサーバーといっても、このMECは各地に配置するものではなく、全国で1~2カ所に置かれるとの説明だった。
サービス提供の背景であるフィジカルAIに必要な要素として、小嶺氏は、ロボットなどが撮影する情報に人物や自動車のナンバープレートなどプライバシー情報が含まれることに対応した「データ主権」、フィジカルAIは攻撃による誤動作の危険性が従来のAIより増すため重要となる「安全」、IoTで大量に展開することによる「スケーラビリティ」の3つを挙げた。
そして今回の「MEC×GPUaaS」により、「データ主権」については、NTTドコモビジネスのキャリア網内で完結して外側にデータを出さない形をとる。「安全」についても、閉域網であることに加えて、脅威検知などのセキュリティ機能を提供する。「スケーラビリティ」についても、GPUaaSの特徴のとおり、使いたいときに使いたい分だけオンデマンド型で利用できる。
ユースケースとしては、NTTドコモビジネスによるフィジカルAIの実験が紹介された。
路車協調による自動運転の実験では、自動車と、路上のスマートポールの両方からのカメラ映像をもとに自動運転を実現する。ここで人物やナンバープレートなどのプライバシー情報をソブリンで管理し、サイバーアタックによる暴走などを防ぐセキュリティ保護も実現する点を小嶺氏は強調した。
今後は実験にとどまらず、高品質なデータ伝送やリアルタイム可視化、通信品質の安定などを、docomo business SIGNにおいてMECにプリセットしてサービスとして提供していく予定だ。
また、NTTモビリティ株式会社において、車内外の安全確保を含めた運行アシストのサービス「NTTモビリティ 運行アシスト」を提供し、そこにMEC+GPUaaSを使う予定だという。
数万台規模でグローバルに展開したIoT製品の回線管理を一元化・自動化する「docomo business SIGN Pro」
続いて「docomo business SIGN Pro」だ。これは主に、モバイル回線によるIoT機能を備えた製品をグローバルに大規模展開する自動車メーカーや建設機械メーカー、監視カメラメーカーなどを想定して提供される。
こうしたIoTデバイス増加に伴う課題として、製品管理、人手作業の限界、セキュリティ対策の必要性などを小嶺氏は挙げた。
「既存メニューでも1万台ぐらいまでなら何とか管理できたが、数万台以上になると難しい」(小嶺氏)。
こうした課題に対して「Pro」がもたらすメリットについて、IoT製品のメーカーの製造から保守までの流れに沿って小嶺氏は説明した。
まず「出荷・導入」においては、機器1台ごとの人手ではなく、回線管理画面から効率的に回線開通ができる。また「運用」においては、動いているかどうかなどの状態を一元管理で把握したり、SIMステータスの変更などのイベントからルールによって運用処理を自動化したりできる。
「保守」においては、エンドユーザーからのトラブル問い合わせについて遠隔で調査したりできる。「サービス高度化」においては、スマホの操作で車の機能を制御するような機能を、メーカーがAPIによって実現できる。
それに加えて、国内外でシームレスにつながる通信基盤を提供する。特にeSIMの場合は、コンシューマー向けeSIMの「SGP.22」規格ではなく、IoT向けeSIMの「SGP.32」規格を採用。コンシューマー向けでは端末(エンドユーザー)側で回線を有効にする必要があるが、SGP.32では機器メーカーなどが遠隔から一括で機器に対してeSIMプロファイルのダウンロードや切り替えができる。
小嶺氏は自動車を日本から海外に輸出する場合を例に説明した。日本のキャリア(ドコモ)のeSIMが設定された自動車に対して、輸出先の現地キャリアのプロファイルを自動車にダウンロードし、現地キャリアのeSIMに切り替えて出荷することで、輸出先でモバイル回線に接続できる。
そのほか、物理SIMの差し替え検知の機能もデモされた。
スマートフォンは基本的に手元にあるのでSIMを勝手に抜かれる可能性は高くないが、IoT機器は無人で設置されるため、SIMが抜かれて盗まれ、悪用される可能性がある。そこで、SIMが抜かれたことを検知したり、さらに抜いたSIMをほかの端末に挿すと自動的に回線を止めたりする機能だ。























