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宮崎大学病院、Wi-Fi大刷新へ、医師の労務実態把握もめざす

 三井情報株式会社(以下、MKI)は10日、宮崎大学医学部付属病院に大規模なWi-Fi環境を構築したと発表した。同院ではWi-Fi環境のエリア拡充と安定した電波強度による教育研究活動・病院業務の効率化をめざす。

 同院は22診療科・病床数632床で構成され、医師と看護師合わせて約1000名の職員を有する宮崎県の高度先進医療施設。これまでも医療内容の高度化・多様化に対応すべくWi-Fi環境を活用し、モバイル端末で電子カルテを閲覧するなどの医療活動を行ってきた。ただ、この環境には設計上の理由から「移動中にネットワーク接続が切れる」「病室の奥まで電波が届かない」といった課題があったという。

 これらを解決するため、MKIは事前に4種類の異なるベンダー製品について実環境でテストを行い、シスコ製アクセスポイント「Aironet 2700シリーズ」が最適と判断。設計・構築を行った。2015年に入ってまずは研究棟での導入を完了し、Wi-Fi環境の接続は大幅に改善されたという。今後は病院内のアクセスポイント全体のリプレースも順次進める予定で、その総数は約1000台に上るとのこと。

Aironet 2700シリーズ

 同院は今後、電子カルテ閲覧端末と通話用端末を統合させ、さらに業務の効率化をめざすだけでなく、医師の負荷軽減に向けた労務実態把握のための位置情報活用や、院内での講習会のテレビ会議配信など、新たな用途も検討していく。

川島 弘之