PaaSソリューションを提供する米Engine Yard、日本法人を設立


米Engine Yard CEOのジョン・ディロン氏

 PaaSソリューションを提供する米Engine Yardは、日本法人となる株式会社Engine Yardを3月14日付けで設立し、日本市場におけるPaaSソリューションの展開を狙い、9月4日より本格的に事業を開始すると発表した。

 米Engine Yardは、2006年にサンフランシスコに設立された企業。6年にわたりPaaSソリューションを提供している。主力となるのはセルフサービス型の「Engine Yard Cloud」と、フルサービス型の「Engine Yard Managed」の2種類。

米Engine Yard概要グローバルでの主な顧客

 Engine Yard Cloudは、Amazon EC2上にテンプレート化された構成で展開するセルフサービス形式のプラットフォーム。Ruby on Rails、PHP、Node.jsに対応する。Engine Yard Managedは、terremarkの基盤にカスタマイズ可能な構成で展開するフルサービス形式のプラットフォーム。SLAも必要に応じてカスタマイズでき、Ruby on Railsに対応する。

 「顧客ベースは南北アメリカ大陸が最大だが、アジアと欧州の新規顧客も急成長しており、アジア市場を拡大するために、Engine Yard日本事業所を開設するに至った」と、米Engine Yard CEOのジョン・ディロン氏は語る。同氏は初代salesforce.com CEOを務めた人物でその日本法人立ち上げを導いた人物でもある。その経験を今回も生かしていく。

日本法人の代表取締役社長に就くティモシー・ロメロ氏

 日本法人の代表取締役社長に就くのは、日本において20年の経歴を持つティモシー・ロメロ氏。前職のチューリッヒ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド日本支社では、戦略開発部長として大規模なソフトウェア開発を行っていた。

 同氏は「現在、日本では約20社のベンチャー企業のお客さまがいる。今年は販売だけでなく、アプリケーション開発、Webデザイン、SIなどを手がけるパートナーシップを強化し、2013年末までに新規顧客200社獲得を目指したい」と目標を語った。

 まずはWebベースで利用できる「Engine Yard Cloud」の直販からはじめ、2013年からプライベートクラウドへのビジネス展開も視野に、パートナーの拡大に努める考えだ。

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(川島 弘之)
2012/9/5 06:00