CTC、量子コンピューティング活用支援サービス「Cubit X」の強化でJijと協業

　伊藤忠テクノソリューションズ株式会社（以下、CTC）は3月31日、量子コンピューター向けのソフトウェアを開発する株式会社Jijと、量子コンピューティング活用支援サービス「Cubit X（旧名：CUVIC for Quantum）」の強化を目的に、協業を開始したと発表した。

　Jijが提供する量子アルゴリズムの開発プラットフォーム「JijZept」を活用して、量子コンピューターを活用したアプリケーション開発を支援し、開発期間の短縮につなげる。併せて、JijZeptについて国内で初めて代理店契約を締結し、提供を開始した。

　Cubit Xは、量子コンピューティングの活用を支援するCTC独自のサービス群。複数の量子コンピューターを束ねるクラウド型プラットフォームとマネージドサービス、アセスメントサービス、量子アルゴリズムの開発環境などが含まれる。

　JijZeptは、数式をベースにした直観的なインターフェイスを備えた、量子アルゴリズムの開発プラットフォーム。組み合わせ最適化問題に関連する数式から量子コンピューター向けの数式に変換し、ゲート方式やアニーリング方式といったさまざまな量子コンピューターに対する効率的なプログラムを自動的に生成する。豊富な計算事例やデータセットをもとに最適なパラメータのパターンを学習しているため、従来、専門家が手作業で実施していた複雑な数理モデリングやパラメータ調整の工程を省け、多くの時間を必要とするアルゴリズム開発の効率化を実現する。

JijZeptのインターフェイス

　協業により、Cubit XにJijZeptを組み込むことで、量子コンピューターを活用したアプリケーション開発をトータルに支援できるようになり、利用者は、高度なプログラミングのスキルを必要とすることなく、開発期間も最大で70％短縮することが可能となるとしている。

　CTCでは、量子コンピューターのビジネス活用に取り組む企業を中心にCubit Xを展開し、3年間で30億円の売り上げを目指す。