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JSOL、製紙業界と段ボール業界の物流効率化を実現する配送情報ポータルシステムを提供

 株式会社JSOLは20日、製紙業界と段ボール業界における物流の2024年問題に対処するため、RFIDを活用した配送情報ポータルシステム「Delivery Information Portal System(以下、DIPs)」の開発を行ったと発表した。

 2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が定められ、これにより、輸送能力が不足する物流の2024年問題が懸念されている。

 物流事業者は、製紙会社から段ボール原紙を段ボール会社に輸送するが、着荷主となる段ボール会社の多くの事業所では、荷卸しの際に原紙管理を自社内で行うための自社固有の情報が記載されたラベルを貼付する作業や、段ボール原紙に直接情報を記載する作業をトラックドライバーに依頼している。また、検収に際しては、段ボール原紙一本ずつの伝票照合作業に時間を要しており、さらには、前のトラックの受け入れ作業の終了を待つ待機時間も発生している。これは、物流事業者にとっての問題だけでなく、段ボール会社には受け入れた段ボール原紙を自社システムに登録する作業の効率化の課題があった。

 こうした課題に対して、日本製紙連合会(以下、製紙連)と全国段ボール工業組合連合会(以下、全段連)がDIPsの導入を推進し、製紙業界標準EDI(電子データ交換)を展開する株式会社カミネットがDIPsの提供を行う。DIPsを活用することで、製紙会社が段ボール会社に段ボール原紙を納品する際に行われる作業を効率化でき、荷卸しから検収までの時間を短縮する。

 RFIDを活用したDIPsとEDIを連携することで、配送に関わる作業時間の短縮を実現する。
また、DIPsはバーコードの読み取りも可能で、段ボール原紙のラベルがRFIDに未対応でも運用できる。

 具体的には、段ボール会社が直接DIPsに登録した注文明細と、製紙会社がEDIを通じてDIPsに登録した出荷明細をひも付け、読み取ったRFIDの情報とこのひも付け情報を連携させる。これにより、現品への情報記載やラベルの貼付作業が不要となるほか、伝票の照合作業はRFIDリーダーで読み取るだけとなるため、検収作業の時間が大幅に削減される。こうした作業の効率化に伴い、トラックの待機時間も大幅に短縮され、段ボール会社にとっても、自社システムへの登録作業が省ける。さらには、受け入れ時に使用したRFIDを段ボール会社の現品管理に活用することもできる。

 JSOLでは、今回蓄積した知見を生かし、幅広い業界に向けて物流の効率化に寄与し、社会問題解決の一助となることを目指すとしている。