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NTTデータGSL、SAP S/4HANA 2023版に対応したERP導入テンプレート「GBMT for use with SAP S/4HANA」を提供

 株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ(以下、NTTデータGSL)は12日、SAPジャパンが2023年10月から提供を開始した、SAP S/4HANAの2023版に対応するERP導入テンプレート「GBMT for use with SAP S/4HANA」(以下、GBMT)を、2024年秋に提供開始すると発表した。

 「GBMT」は、製造業販社・専門商社・小売業の商習慣や業務プロセスを考慮し、必要な機能を厳選・最適化したテンプレート。これらの業種の企業にとって必要な販売管理、在庫購買管理、財務会計、管理会計に対応し、仕様書などのドキュメントを含めて提供している。

 NTTデータGSLでは、この「GBMT」をSAP S/4HANAの2023版に対応させるための開発を行っており、10月に新版をリリースする予定。この新版では、業務の自動化や省力化を実現するだけではなく、日常業務の中で培われてきた経験則を基にした例外処理の通知などを実行可能にするとした。

 SAP S/4HANAの2023版に含まれる新機能「Situation Handling」は、ビジネスにおける個々の状況に対して処理を行う機能で、例外的に検知された事象を通知することが可能になる。例えば、予算超過や契約期間の終了、数量契約の消費などによって、業務上で例外的な事案が生じた際に、即座に担当者に通知することが可能だ。

 GBMTでは、業務上のさまざまな入力作業を自動化して連携する仕組みを備えており、従来は、そうした情報も最終的には人が管理する必要があったが、Situation Handlingは、人に頼らずAIを活用して可能な限り自動化してくれ、例外が発生した際に、どの担当者に通知が行くのかといった設定もユーザー側で行えるとのこと。

 また「Embedded Machine Learning」では、担当者が問題発生時に行った例外処理と、その原因となったデータをAIが学習することで、高度な自動化と効率化を実現可能になる。例えば、過去に納品の遅れが目立ったケースを学習し、将来の納品遅れ予測について、ユーザーに警告を表示することが可能となった。

 従来、こうした例外処理は、長年現場で業務に関わってきた担当者が感覚的に察知し処理してきたが、そうした担当者が退職した後、新しい担当者が気づくことが難しく、重大なミスにつながってしまう点が懸念されてきたという。2023版の「GBMT」では、こうした事態への対処が想定されており、AIによって、過去から蓄積された経験則や知識、ノウハウを人ではなくシステムが継承することで、人材不足や人材育成の課題を解決するとしている。

 このほか、SAP S/4HANAで実装されたワークフローの定義ツールを「Fioriアプリ」として提供することで、ユーザーが柔軟にワークフローを定義できる「Flexible Workflow」をはじめ、適格請求書等保存方式の各種法要件に対応したソリューションを提供する「インボイス制度対応」、「SAP Analytics Cloud(SAC)」の計画立案用事前定義済みコンテンツ「Integrated Financial Planning」をベースにSAP S/4HANAに最適化した「SAC連携対応」など、さまざまな新機能が追加される予定だ。