キヤノン、超高感度カメラ映像の視認性を向上させる「映像鮮明化ソフトウエア Version 1.0」

　キヤノンは、超高感度カメラシリーズ向けのソフトウェアとして、映像の視認性向上を実現する「映像鮮明化ソフトウエア Version 1.0」を、2024年1月下旬に販売開始すると発表した。視認性を向上させた映像による監視を実現することで、異常時の迅速な状況把握に貢献するという。価格はオープン。

　キヤノンによれば、港湾や公共インフラ施設、国境付近など、極めてセキュリティレベルが高いエリアでは、昼夜を問わず正確に対象をとらえる高度な監視システムが求められるが、夜間監視や遠方監視においては、暗所特有のノイズやかすみの影響による鮮明度の低下が原因で、異常の見逃しリスクが高まるといった課題があるとのこと。

　「映像鮮明化ソフトウエア Version 1.0」は、こうした課題に対応するために、超高感度カメラシリーズで撮影した映像に対して、AIを活用したノイズ低減処理などを行うことで、映像の鮮明化を可能にするソフトウェア。GPU搭載小型ボックスPCで動作し、超高感度カメラシリーズと3G/HD-SDIケーブルを接続して利用する。

　自社開発したイメージセンサーや光学系の特性、さらにはカメラメーカーとして蓄積してきた膨大な画像データベースと画像処理の知見をもとに独自開発した、ディープラーニング（深層学習）画像処理技術を採用している点が特徴。超高感度カメラシリーズが持つノイズ特性を学習させたことにより、カメラ単体では避けられない、低照度環境下などで発生するノイズに対して、さらなる低減処理を行えるという。

ノイズ低減処理前後の実写画像（撮影時照度：0.1lux、使用カメラ：MS-500）

　また、ディープラーニングモデルの軽量化を図り、学習によって蓄積されたモデルデータの精度の維持と演算処理の高速化を両立しているとした。

　なお、対応する超高感度カメラシリーズの機種は以下の通り。

・ME20F-SH（2015年12月発売）
・ME20F-SHN（2018年2月発売）
・ML-105 EF（2021年4月発売）
・MS-500（2023年8月発売）