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ISIDとJEMS、工場DXソリューションの共同開発で業務提携

 株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は8月31日、ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社(以下、JEMS)と業務提携契約を締結し、共に工場デジタルトランスフォーメーション(DX)サービスの企画・提供を通して、製造業界向けスマートファクトリー化の推進に取り組むと発表した。

 業務提携に至る経緯として、ISIDは8月8日、エンデバー・ユナイテッド株式会社および京セラ株式会社と共同で、JEMSの事業に対する投資を行っている。

 ISIDは、製品開発のデジタル化を推進する企業として、1700社超の製造業の顧客にソリューションを導入してきた。3次元CADやCAEなどのデジタル技術を用いて、製品設計を効率化するソリューションをい製造業に提供し、近年では、工場をデジタル空間上に再現し、新しいものづくり手法を事前にシミュレーションすることで製造業のスマートファクトリー化を推進している。

 JEMSは、1984年に設立された(旧)富士通周辺機株式会社が、2018年の富士通グループからのカーブアウト時に設立され、日本製造にこだわった開発から製造までをワンストップでEMS/ODM事業を展開すると共に、自社事業を通じて培った製造業向けソリューション・サービスの開発・提供も行っている。近年では、AIやIoTなどの新技術を活用し、工場におけるものづくり全体をリアルタイムに分析・予測・最適化できるスマートファクトリー化に取り組んでいる。

 今回、両社が製造業界で培ってきたノウハウと知見を利活用し、デジタルの力で工場を変革するDXソリューションの企画・提供を行い、製造業界のスマートファクトリー化の推進に共に取り組むとしている。

 業務提携により、製造業界のスマートファクトリー化に必要不可欠である、リアル(工場)とバーチャル(デジタルあるいは仮想空間)を掛け合わせたソリューションの創出に向け、両社の知見やノウハウをJEMSの自社工場へ導入し、生産・製造ラインに実装することにより、さまざまな検証を行う。ここで生み出された成果を新たなソリューションとして共同開発し、将来的に工場DXソリューションとして提供する。

 取り組みでは、JEMSが自社開発した工場向け生産管理システム「JPRO」の販売・提供を行う。JPROは、量産製品、インデント製品および保守製品へ対応するフレシキブルな実践型の生産管理システムで、大企業から中堅中小企業までの幅広いニーズへの対応が可能。ISIDは、JPROを工場DXのコアソリューションの一つとして位置付け、ISIDが有する製造業界向けの販路を活用し、8月31日に提供を開始する。

 また、両社が有するソリューションをJEMSの自社工場へ導入・実稼働させることにより、先進的な工場DXのロールモデルを創出するとともに、その様子をデモンストレーションし、見学することが可能なショールームを2024年に開設する。

 さらに、両社が実現するDX化した工場での検証結果や、顧客からのフィードバックを基に、新たなソリューションやサービスの共同開発を2025年に行う。