ニュース

香港Gaw Capital Partners、計39MWのデータセンターを東京都府中市で開発~「データセンター調査報告書2023」より

本記事は『データセンター調査報告書2023(インプレス刊、3月17日発売)』より一部記事を抜粋・加筆して掲載しています。

 香港Gaw Capital Partnersは2022年4月6日、府中インテリジェントパーク(東京都府中市日鋼町)にある「府中ビル」を同社が運営するファンドを通じて取得したと発表した。

 同ビルはKDDI府中データセンターとして知られているが、今後取り壊され、その跡地(5479㎡)に新たなデータセンターが新築される。

 隣接する名糖産業府中ビルも、Gaw Capital Partnersが運用するファンドが2021年7月に取得し、Gaw Capital Partnersにおける同地区フェーズ1としてすでに再開発を進めているという。

 今回取得された府中ビルはフェーズ2として再開発され、Gaw Capital Partnersによる同地区データセンター計画は、従来2倍の合計面積1万強㎡になるとし、最終的には合計4040ラック、総IT供給電力39MW(同2倍)、総受電容量は50MWになる見込みで、同市内のデータセンターでは最大になるとしている。

香港Gaw Capital Partnersによるデータセンター開発(編集部調べ)
開発開発事業者名用地敷地面積ラック規模IT電力
フェーズ1Beta Investment Japan特定目的会社名糖産業府中ビル跡地5,491㎡計4,040ラック計39MW
フェーズ2Symphony特定目的会社KDDI府中ビル跡地5,479㎡

 発表時の外観パース(画像1)によると、建物は2棟を予定していて、前述どおり2つのフェーズで順次再開発が進む計画としている。

画像1:Gaw Capital Partnersが東京都府中市で進める39MW、2棟のデータセンター外観パース(出典:Gaw Capital Partners)

 府中ビルは、日本の不動産投資法人が所有しKDDIへ賃貸されていたが、同契約が終了したことを機にGaw Capital Partnersが取得している。

 香港Gaw Capitalの名は、日本のデータセンター・IT業界ではなじみが薄いが、2014年にハイアットリージェンシー大阪の取引により日本市場に参入し、東京の青山ビルや横浜のみなとみらいセンタービル、沖縄のリゾート施設など、主要都市におけるレジデンシャル、東京を中心にした18のオフィスについて資産運用している。近年はデータセンター事業へのフォーカスを強めており、中国で2つ、アジアで1つのデータセンタープラットフォームを手がけている。

データセンター調査報告書』は、株式会社インプレスの専門メディア『クラウド&データセンター完全ガイド』による監修のもと、データセンターの市場動向、サービス動向、データセンター事業者の意向、企業の利用動向などをまとめた調査報告書です。2007年より発行を開始。その後は年次で発行を続け、本年度で16回目を迎えました。