ニュース

パイオニア、商用車の運行ルート最適化を実現する「Piomatix LBS API」

 パイオニア株式会社は16日、モビリティAIプラットフォーム「Piomatix」の新サービスとして、商用車の運行ルートの最適化により、物流やタクシー配車のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する「Piomatix LBS API」を提供開始したと発表した。

 パイオニアでは、長年にわたるカーナビゲーションシステムの開発において、独自のルーティングテクノロジーを構築し、多数の特許出願を行っているとのことで、道路環境(例:道路種別・交差・形状・幅員・信号の有無)や利用状況(例:渋滞・天候・時間帯)など、移動距離や所要時間に影響をおよぼす、静的・動的な要因を考慮した最適ルートの算出技術を保有している。

 今回発表されたPiomatix LBS APIは、パイオニアが持つこうした高度なルーティングテクノロジーや位置情報サービスをWeb-API経由で利用できるサービス。今回は第1弾として、以下の3種類のAPIを提供開始し、順次ラインアップを拡充するとした。

1.出発地から目的地までの最適なルートを算出する「ルート探索API」
2.最大200地点までの最適な巡回順序を算出する「巡回最適化API」
3.複数地点間の運行距離や所要時間を高精度に算出する「ルートマトリクスAPI」

 これらを利用すると、日本の道路環境や利用状況に応じて最適化された独自のルーティングテクノロジーにより、右左折の頻度、Uターン回避、車両の横付けのしやすさ、大型車の交通規制などの走行制約まで考慮した、実用性の高いルート探索が可能。

 また、全国の主要道路をカバーするVICS渋滞情報に、パイオニア独自のプローブ情報を組み合わせた膨大な道路カバレッジをもとに、渋滞回避ルートを提供するほか、ルート上の信号有無や信号の待ち時間なども考慮した、実際の所要時間や到着時間に近い精度(97.2%)での予測が可能としている。

 これらのAPIを利用することにより、トラックやタクシーなどの実用的な運行計画の立案が可能となり、定時運行や輸配送品質が向上するという。またパイオニアのルーティングエンジニアが、100項目以上の豊富なパラメータを生かしてチューニングする「プロフェッショナルサービス」(オプション)を活用すれば、これまでのルーティングAPIサービスでは対応できなかった、業種/業態特有の制約事項まで考慮したカスタムルート設計も迅速に構築できるとしている。