ニュース

NECソリューションイノベータ、入退管理システムとしての機能を強化した顔認証パッケージソフト「NeoFace KAOATO」

 NECソリューションイノベータ株式会社は10日、入退管理システムとしての機能を強化した顔認証パッケージソフトウェア「NeoFace KAOATO」を販売開始した。

 NeoFace KAOATOは、あらかじめデータベースに登録した人物の顔画像と、監視カメラが捉えた人物の顔画像を高速・高精度に自動照合し、特定人物の検知や部外者の立ち入り防止などに利用できる製品。

 今回の機能強化では、AIで不正な入退室を防ぐ振る舞い検知機能や、カメラやセンサーの設置環境による認証エラーを補うマルチステップ認証機能、組織独自の休日などに合わせて入退を制御するスケジュール機能、管理外敷地内などの不要な情報の映り込みを防ぐマスキング機能を追加した。さらに、本製品を入退管理システムとして導入しやすいよう、国内でシェアの高いセンサーやゲートなど、他社製品との連携機能も強化した。

 振る舞い・生体検知機能では、動作や表面温度などを検知し、AIが不正を判定する。例えば、顔写真をかざして通過しようとする動作を検知して、AIが不正な動きと判断し、解錠させないことで、不正な侵入の防止に活用できる。歩きながら複数人を同時に認証することが可能なため、入退人数の多い場所でも導入できる。他にも、立ち止まることなく目尻を検知し、サーマルセンサーで温度チェックを行うことで、設定した値より高温と判断された人の入室を制限することもできる。

表面温度測定による入室制限を先行導入中の、福岡地所株式会社の天神ビジネスセンターの入退室ゲート

 マルチステップ認証機能は、顔認証でエラーが発生した際に、PINコード入力などの別の要素で認証を行うことで、入退室を許可する。これにより、カメラやセンサーの設置環境などによってエラーが発生しても、人手ではなくシステム側で本人確認と解錠ができ、システム運用者の負荷軽減につなげられる。さらに、マルチステップ認証で通過した利用者の情報をデータベースに自動登録することで、システム運用者はエラー発生時のマスターメンテナンスなどの対応も軽減され、利用者も次回以降マルチステップ認証を行うことなく、スムーズな入退室が可能となる。

 スケジュール機能は、指定日時に顔認証を停止するなど、登録者ごとのスケジュールに対応した制御を行うことが可能。例えば、休日は一般社員の入退室を禁止し、業者と一部の社員のみの入退室を許可するなどの制御を可能にし、入退室に関するトラブルの防止を支援する。

 マスキング機能は、管理外の場所が映りこむ位置にカメラを設置する必要がある場合に、映りこんだ部分をマスキングできる。これにより、映り込みの許されない情報を非表示にすることで、情報管理にかかる負担の軽減が期待でき、運用管理者も、管理外の情報を見ることなく映像を確認できる。

 連携機能については、NECが提供する「NEC I:Delight」のサービス機能の1つとして、NECのハードウェアと組み合わせることで、さまざまなサービスをセキュアかつシームレスにつなぐことができる。例えば、入館情報から、勤怠管理との連携、通過確認メールの配信、館内のエレベーターの制御、売店でのレジレス決済、宅配ボックスの受け取りなどを連携させ、生体認証(Bio-IDiom)を鍵としたスマートな環境づくりを支援する。

 また、他社製品との連携についても、国内でもシェアが高いタムロン製サーマルセンサーや、クマヒラ製セキュリティゲートなどの機器と、ウォークスルーを維持したまま複数連携することを可能にした。既に各機器を利用している顧客は、スピーディーに製品を追加して利用できる。

 このほか、通信障害が発生した際にも、設置端末にセキュアに保存された登録情報を使用して顔認証を行うオフライン認証や、アプリケーションが異常終了してしまった場合でも、自動で復旧するヘルスチェック機能により、稼働率の高いシステム運用をサポートする。

 NeoFace KAOATO入退管理システムの価格は35万円(税別)から。NECソリューションイノベータでは、今後3年間で2000ライセンスの販売を目標とする。