ニュース

DNP、ローカル5G向けSIMカードの機能・サービスを拡充、特定の通信機器に利用を制限する機能などを追加

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は13日、ローカル5Gに対応したSIMカード「DNP SIM for ローカル5G」について、特定の通信機器のみでSIMカードが利用できるよう制御する「ペアリング」や、低消費電力に対応する機能を搭載した新製品を開発したと発表した。

 DNPでは、地域の企業・団体などが、第5世代移動通信システム(5G)のネットワークを独自に構築できる、ローカル5Gに対応したSIMカード「DNP SIM for ローカル5G」を2020年から全国向けに提供している。

 今回、ローカル5G向けSIMカードの新機能として、SIMカードの不正利用防止やインターネットに接続された製品(エッジデバイス)のセキュリティ向上に向けて、特定の端末とSIMカードの組み合わせでのみ動作するよう設定可能なペアリング機能を搭載した。

 また、低消費電力で長期間稼働が求められるIoT機器などの信頼性と安定性向上のために、通信の待ち受け時にSIMカードの消費電力を抑える機能も追加した。

特定の通信機器のみでSIMカードが利用できるペアリング機能

 DNPでは、国際電気通信連合より発行者識別番号(IIN:Issuer Identifier Number)の割り当てを受け、IINを持たない企業に代わってSIMカードの発行時に必要なICカード識別番号(ICCID:Integrated Circuit Card Identification)を付与するサービスの提供も開始する。

 DNPでは、IINを取得したことで、SIMカードの製造・販売だけでなく、ICCIDの付与も一貫して行えるようになることで、導入企業の負荷軽減につなげるとしている。

 さらに、SIMカードを初めて扱う地域の企業・団体などに対して、発行データの設定をはじめとする、SIMカード導入に関するコンサルティングや運用支援などのサービスも提供する。DNPがSIMカードを発行する際、各企業・団体のローカル5Gシステムの要件に合わせて、あらかじめ最適な値で通信関係の設定を行う。また、DNPの全国の営業体制や、開発・製造・発行を一貫して行う国内の体制を生かして、各地域でのローカル5G活用に合わせた個別の要求や小ロットでの提供などにも対応する。

 DNPは、DNP SIM for ローカル5Gのほか、SIMカード導入に関連するサービスなども提供し、2023年度までに5億円の売上を目指す。また、DNP独自の「透明アンテナフィルム」や放熱部品「ベイパーチャンバー」などの5G向け電子部品、IoTの情報セキュリティを高めるプラットフォームなどとも掛け合わせて、次世代移動通信システムによる快適な情報社会を支えるソリューションを提供していくとしている。