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NTTデータ、モビリティ分野のビジネス創出を支援する交通環境情報ポータルサイト「MD communet」を一般公開

 株式会社NTTデータは4月30日、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」(以下、SIP自動運転)における、地理系データの流通促進に関わる取り組みとして、2020年11月から試験運用で限定的な公開をしていた交通環境情報ポータルサイト「MD communet」を一般公開した。

 内閣府では、Society 5.0の実現を目指し、総合科学技術・イノベーション会議の下、SIP自動運転において、府省・分野の枠を超えて基礎研究から実用化、事業化の出口までを見据え、自動運転の協調領域に関わる技術開発、実証実験などを、府省横断、産学官連携により推進している。

 NTTデータは、2019年度に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が管理法人を務め内閣府が実施した「SIP自動運転」のうち、「自動運転・運転支援に係るアーキテクチャの設計及び構築のための調査研究」の公募に採択され、事業に参画している。同調査研究では、自動運転を実現するための高精度3次元地図データや、道路交通データ、車両プローブデータなどの交通環境情報の利活用環境を整備・提供するため、地理系データを利活用するためのアーキテクチャを設計し、データ検索やニーズ・シーズのマッチングを実現するポータルサイトとしてMD communetを開発した。

 MD communetは、モビリティ分野の多種多様な交通環境情報の所有者と、それらのビジネス活用を目指す利用者のコミュニケーションの場として提供することで、双方による新たなビジネス創出、ビジネスマッチングを支援するポータルサイト。交通環境情報の活用により、交通事故低減や交通渋滞の削減といった社会課題の解決や新たなサービス・価値を創造することで、データ提供者とデータ活用者の情報交換の場を作り、さまざまなデータを積極的に活用できるデータ連携・流通を促進するための仕組みの構築・普及促進を目的としている。

 MD communetはオールインワンのポータルサイトとして、MaaSや自動運転、物流、気象などの世の中に散在するモビリティ分野の多種多様な交通環境情報を、市場に流通しているデータだけでなく、まだ市場に出ていない国や企業が保有するデータなどの特徴的なデータまでカタログ情報として集約。ポータルサイト内で、一元的にデータ検索を可能とする。

 また、オンライン/オフサイトでのビジネスマッチングの場として、ポータルサイト上でニーズ・シーズの登録や、会員同士でのコミュニケーションによるマッチングを支援する。オフサイトでは、運営事務局によるアイデアソンなどのイベントの開催や、商談用のクローズ/セミクローズな場のセッティングを行う。

 さらに、ポータルサイト利用者が関心を持つ領域に関連するデータのレコメンデーション機能によって、データやビジネスに関する新たな発見を促進する。

 今後、NTTデータと内閣府、NEDOの3者は引き続き連携し、官民が持つ魅力的なデータの拡充、データを活用しやすい仕組みづくり、データ提供者・データ利用者の仲間づくりを継続して取り組んでいく。内閣府とNEDOは、今回の施策とSIP自動運転の他の施策やSIP他課題との連携を強化し、自動運転の実用化を加速するとともに、地理系データの連携及び流通を促進していく。NTTデータは、交通環境情報を多くの分野で活用できる機会を増やし、さらなる魅力的なユースケースを生み出していく。また、サービスを創出する上で必要となるテクニカルサポートを始めとするビジネスマッチング後の支援なども行っていく。