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日立、自社の出納業務にて帳票読み取り・照合の自動化を推進 年間1万4500時間かかっていた作業の半減を図る

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、財務部門の出納業務に、文字認識によるデータ化を支援する「帳票認識サービス」と、柔軟な業務システム開発を支援する「BRMS InnoRulesソリューション」を導入し、4月より運用開始すると発表した。

 今回のシステムでは、「帳票認識サービス」のAI-OCRエンジンにより、定型・非定型帳票、活字や手書き文字、二次元コードなどさまざまな帳票や文字に対応し、財務部門が扱う請求書と社内申請書をあわせた約5000種類の帳票が読み取り可能にする。

 具体的には、約4800種類の請求書と約200種類の社内申請書を帳票の種類によって分類し、読み取り位置が指定されたテンプレートを用いて、「消費税額」「課税対象額」「口座名義人名」などを自動的に読み取れるようにする。また、日立独自のアルゴリズムにより、AI-OCRの読み取り結果が正しいかどうかを「確信度」として数値化し、誤認識である可能性の高いデータを仕分け可能とした。

 一方の「BRMS InnoRulesソリューション」は、業務ロジックをアプリケーションと切り離して定義し、統合管理を行うとともにノンコーディングで迅速に変更処理を行えるようにするもの。同ソリューションを、財務担当者が社内規定に沿って判断してきた複雑な業務ロジックを財務システムに実装することにより、読み取った請求書と社内申請書の自動照合を可能にする。

 こうした仕組みにより、照合結果で不備と判定された申請内容のみを財務担当者が確認する運用が可能となるため、確認業務を大幅に効率化できるとのことで、日立では、年間25万件におよぶ出納業務において、帳票データの読み取り・照合にかかっていた作業時間を、1万4500時間から7400時間へと短縮することを見込んでいる。