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NEC、全国初となるQRコードを用いた電子請求ソリューション「Haratte」の実証実験を横須賀市で開始

 日本電気株式会社(以下、NEC)と株式会社AmbiRise、グラビス・アーキテクツ株式会社の3社は18日、横須賀市(経営企画部情報システム課)と「電子請求ソリューションを活用した業務効率化の検討に関する協定」を締結し、横須賀市役所で処理される請求業務においてQRコードを用いた電子請求ソリューション「Haratte」の実証実験を9月から開始すると発表した。QRコードを活用した電子請求ソリューションによる請求業務の効率化に向けた取り組みは、全国の自治体で初の試みになるという。

 実証実験では、全国の自治体で採用実績のあるNECの「GPRIME財務会計システム」と、AmbiRiseの行政機関宛て請求プラットフォーム「Haratte」、グラビス・アーキテクツのICTを活用した自治体業務改善検討支援のノウハウを組み合わせ、自治体と民間事業者の請求書作成や経理処理の効率化について、評価・検証を行う。

 横須賀市の財務会計システムを用いた請求業務に、HaratteおよびHaratte連携ツールを導入した場合の業務改善モデルの検討、技術的検証、業務効率化の効果・課題の抽出などを実施。GPRIME財務会計システムとHaratteの技術を組み合わせることによる自治体の請求事務における業務改善モデルを検討し、自治体の請求事務のより効率的で効果的な業務プロセスやシステム仕様などを検証する。

 Haratteは、自治体の物品購入や委託業務などの請求を対象として、あらかじめ民間事業者がHaratteに請求書の内容を入力し、そのデータをQRコードに変換して請求書に添付する方法を採用している。市役所では、職員が読み取り機器と「Haratte連携ツール」によりQRコードを読み取ることで、請求書データをGPRIME財務会計システムに簡単に取り込むことが可能となる。

 これにより、自治体側の転記に伴う事務作業の負担軽減だけでなく、民間事業者側も複数自治体に対して同じフォーマットへの入力で請求書を作成できるようになるため、複数の自治体がこのシステムを採用した場合に、民間事業者による経理処理などの作業の負担軽減も実現できる。

AmbiRiseが提供する請求プラットフォーム「Haratte」の解説図

 実証実験においては、NECは財務会計システムの動作環境の提供、GPRIME財務会計システムへの連携ツール組み込みの検証を担当。AmbiRiseは、実証実験の企画・計画およびプロジェクト統括、Haratteの提供及び動作検証、機能追加を担当。グラビス・アーキテクツは、横須賀市の現行業務分析、業務改善モデルの作成、課題の抽出を担当する。

 NECとAmbiRiseとグラビス・アーキテクツでは、横須賀市での実証実験を踏まえ、行政がデジタル化を通じて業務効率化を進めるGovTechによる、自治体・民間事業者の事務負担の軽減を目指す取り組みを進めていくとしている。