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「EU vs Google」戦いの火ぶた 欧州独禁法訴訟へ

米国では調査終了

 ECの異議告知書は、過去5年間の調査を経たものだ。始まりは2009年、総合ショッピングサイトの独Ciao!、比較サイトの英Foundem、法務情報の検索サービス仏eJustice.frがECに苦情を申し立てたのにさかのぼる。ECは2010年に暫定調査を開始。その後Googleと3回の話し合いを持ったが折り合いがつかなかった。

 Googleの検索サービスにおける独占的地位の乱用は、米国でも調査対象となった。だが米公正取引委員会(FTC)は2013年、Googleが自主的に調整することで和解合意し、独禁法に関連した調査を終了した。

 しかし、EUのVestager氏は、米国と欧州では状況が異なる点を強調している。欧州におけるGoogleの検索シェアは90%以上で、米国よりも高いという。Wall Street Journalはこれに加え、欧州と米国での独禁法の考え方の違いも指摘している。

 つまり「米国とは異なり、欧州の法では競合、それに消費者の保護も含まれている」というもので、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのIoannis Lianos教授は「欧州で独占的地位を持つと、競合を尊重するという点で特別な責任を負う」と同紙にコメントしている。

(岡田陽子=Infostand)