2021年5月12日 06:00
弊社刊「クラウド&データセンター完全ガイド 2021年春号」から記事を抜粋してお届けします。「クラウド&データセンター完全ガイド」は、国内唯一のクラウド/データセンター専門誌です。クラウドサービスやデータセンターの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。
発売:2021年3月31日
定価:本体2000円+税
日本アイ・ビー・エム株式会社は2021年2月10日、19インチラック1Uのコンパクトな設計で、物理容量約460TB、最大容量1.7PBまで搭載でき、NVMeサポートなどハイエンドクラスの機能を備えたストレージシステムIBM FlashSystem 5200を発表した。
IT環境は、マルチクラウド、マルチベンダーの多様なシステムが複雑に連携するオープンでハイブリッドなIT環境になってきている。ITが複雑になることで生じる課題、コスト、リスクに対応するためには、インフラストラクチャ全体を最適化することに加え、ストレージもシンプルにしていくことが重要だ。
FlashSystem 5200は、IBM FlashSystem製品群では最もコンパクトで、最新のIBM FlashCoreモジュールを搭載し、フラッシュストレージのために最適化された通信プロトコルであるNVMeをサポートすることで、70マイクロ秒未満の応答時間を実現する。また、Intel、Samsungのストレージクラスメモリードライブをサポートし、統合ストレージ管理ソフトウェアIBM Spectrum Virtualizeを活用すれば、500を超える異機種のストレージシステムが混在した環境を統合管理することができる。
ストレージに障害が発生しても別のストレージに切り替えて無停止で業務を継続できる HyperSwap機能により、高可用性を実現。ハイブリッドマルチクラウド環境をはじめ、ベアメタル、コンテナなど多様な仮想化したインスタンスで活用でき、他社製品ともシームレスに連携できるため、すべてのワークロードに、優れたパフォーマンスや最適なコスト効率を提供する。
Red Hat OpenShift、Kubernetes用Container Storage Interface(CSI)、Ansible Automation、Kubernetes、およびVMWareやベアメタル環境をサポートし、ストレージ環境全体を可視化するIBM Storage Insightsと、ストレージを統合および管理して1つのプールのように見せるIBM Spectrum Virtualizeも提供。サイトで障害が発生した場合に自動フェイルオーバーをサポートするIBM HyperSwapなどのデータ復元機能も含まれている。サイズが従来のストレージシステムの半分であるにもかかわらず、前モデルよりもI/Oが最大66%高速化し、データスループットは40%高い21GB/秒となっている。
IBMでは、IBM Cloud Satelliteのサポートを、FlashSystem製品群、IBM SANボリュームコントローラー、IBM Elastic Storage System、およびIBM Spectrum Scaleにまで拡大させる予定。IBM Cloud Satelliteによって、企業はクラウドサービスを、パブリッククラウド、オンプレミス、エッジなどどこにでも、迅速かつシンプルに構築、デプロイ、管理できるようになる。IBMCloud Satelliteは、統一されたインターフェースを通じて操作できるサービスとして提供され、IBMのパブリッククラウドである「IBM Cloud」を介して管理する。
さらにIBMは、オンプレミス環境とIBMクラウド、またはAmazon Web Servicesとの間の異種混合ストレージシステムからデータを複製、移行できるようにするソフトウェアであるIBM Spectrum Virtualize for Public Cloudを更新する予定であることを発表している。IBMでは、2021年の第3四半期のベータプログラムから、同じ機能をMicrosoftAzureにも拡張することを計画している。