特別企画
ノートPCのテクノロジーを使った超小型デスクトップ「HP EliteDesk 800 G1 DM/CT」
(2015/2/27 06:00)
EliteDesk 800 G1 DMのパフォーマンスは?
今回、HPからお借りしたEliteDesk 800 G1 DMは、Core i5-4570(2.9GHz)プロセッサ、4GBメモリ、500GB HDDを搭載したモデルだ。OSは、Windows 7 Pro 32ビット版がバンドルされていた。
Windowsエクスペリエンス インデックスは4.6と、Core i5プロセッサを採用したPCとしては、スタンダードなパフォーマンスだ。外付けのグラフィックカードを使用していればもう少し数値は上がるが、オフィスで利用するには、EliteDesk 800 G1 DMのままで十分使える。
それよりも、ストレージにHDDを使用しているため、HDDの性能が足をひっぱっているようだ。このあたりは、SSDに変更すればもっと高い性能を示すだろう。
HDDのパフォーマンスに関しては、ディスクベンチマークのCrystal DiskMarkの数値でもわかる。SSDやハイブリッドディスクなどを採用すれば、よりパフォーマンスが高くなる。
実際にEliteDesk 800 G1 DMを使ってみて気になったのは、ACアダプタが大きいことだ。本体のコンパクトさに比べると非常に大きい。できれば、もう少しコンパクトになれば使いやすいと思う。さらに、ACアダプタからコンセントに接続する電源ケーブルが太く堅いため、引き回しが面倒だった。
もう一つ気になったのが、付属しているキーボードとマウス。これだけコンパクトな本体が用意されているのだから、できればコードレスのキーボードとマウスをオプションでも用意してほしい。コードレスのキーボードやマウスなら、デスク上にケーブルが配線されないため、机の上がガチャガチャしなくていい。
なお日本HPでは、EliteDesk 800 G1 DMを液晶ディスプレイの裏に装着する、VESA規格対応のマウントキット、EliteDesk 800 G1 DM本体と一体化したデザインになったHPフラットパネルモニターを用意している。後者では、液晶ディスプレイの板下に本体をぴったり設置することができる。
コンパクトなEliteDesk 800 G1 DMはWindowsだけではない
これだけコンパクトなEliteDesk 800 G1 DMは、クライアントPCとしてだけでなく、アイデア次第でいろいろな使い方ができる。日本HPのサポート外となるが、ファイルサーバーにしたり、オフィスのActive Directoryサーバーにしたり、支店や支社のブランチサーバーにしたり、といったことが可能だ。
今回はFreeNASを搭載して、部門のファイルサーバーとして使えるようにしてみた。長期間のテストはしていないが、少し使ってみたレベルでは、動作自体は問題なかった(繰り返しになるが、日本HPのサポート対象外になる)。
本体内部にHDDドライブが1つしか搭載できないため、ファイルサーバーにするため、今回はUSB 3.0ポートに接続する外付けHDDを使用した。例えば3TB HDDを4台使用すれば、12TBのファイルサーバーが構成できる。RAID 5を使用して信頼性を上げたとしても、9GBのファイルサーバーとなる。
外付けUSB HDDの電源やスペースは必要になるが、部門や支店、支社に簡単に設置できる。プリンタや複合機のそばに置けばスペースもとらず、LANポートなどもあるため、使い勝手はいいだろう。
また、EliteDesk 800 G1 DMにWindows Server 2012 R2をインストールして、Active Directory(AD)サーバーとして利用するのもいいだろう。メモリは16GBぐらい搭載すれば、ストレスなくWindowsサーバーが利用できる。ADだけでなくWSUSを利用すれば、ブランチなどでWindows Updateを一括して管理できる。これ以外にも、Linuxを搭載して、いろいろなアプライアンスとして使用することもできるだろう。
EliteDesk 800 G1 DMは、コンパクトさを武器に、クライアントPCだけでなく、さまざまな用途に利用できるだろう。ケースがしっかりしているため、組み込み機器のコントローラとして利用することもできるかもしれない。HPのサポート外になるが、ユーザーのアイデアでいろいろな用途に使えるPCといえるだろう。
【お詫びと訂正】
- 初出時、FreeBSDとしておりましたがFreeNASの誤りでした。お詫びして訂正いたします。