ITシステムは停電にどう備えるのか?


 東京電力から13日、「計画的な停電を実施する」ことが発表された。3月14日に入り、急きょ、実施が見送られるなど不確定要素も多いが、システム管理者が停電が起こることを意識しなければならないことは確かのようだ。

 しかし、家電製品とは異なり、構成が大きく異なるシステム類では、対策マニュアルを作成するのが難しいことも事実。さらに、「毎日の停電に、サーバーやネットワーク機器類は耐えることができるのだろうか?」というITシステム管理者から不安の声があがっている。

 その中で最初に取り組むべきは、不必要なサーバーの電源は思い切って落とすことだろう。データセンター事業を展開する、さくらインターネットの田中邦裕社長は、ツイッターで次のように呼びかけた。

 「データセンター事業者の皆さん。東電、東北電エリアにある、テストサーバーなど停止可能な機器に関しては、できるだけ電源を落とすようにしましょう。1ラック減らすだけでも、普通も家の何軒分にもなります。うちは大丈夫やろは×です。自社は停電しなくても、誰かが困ります」

 

データセンター以外のサーバーの見直し、クラウドサービスの活用も

 データセンター以外でも、社内にあるサーバーの見直しを行うことで大きな節電につながる。社内に置かれたサーバーの見直しを積極的に行うことが停電の際のトラブル防止につながるだけでなく、節電にもプラスとなる。

 自治体やインフラサービスなど必要な情報を掲載しているWebサーバーはアクセスが集中することから、ミラーサイトを起ち上げるボランティアエンジニアは、地震が起きた直後から登場。13日の夜になって東京電力が計画停電の概要を発表した直後、東京電力のホームページがアクセス殺到となった直後から、見やすい形で情報を掲載するサイトが相次いで登場した。

 さらに、企業としてクラウドサービスを無償提供する動きも広がっている。
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20110313_432756.html

 こうしたサービスを利用し、社内サーバーのデータをクラウド化することも有効な対策といえるだろう。

 

サーバーなどのIT機器にどのような処置を行うべきか?

 では、システムダウンさせることができないサーバーはどのような処置を行うべきか。「家電製品とは異なり、対策マニュアル的なものを作成するのは難しい」という声があり、「この手順を実施すれば大丈夫」という絶対解を見つけることは難しい。

 ただし、「機器の電源を入れたり、落としたりを繰り返した場合、環境によっては火を噴くこともある。5分程度は目を離さないでおく方がよい」といった声や、「停電に備えて、UPSの充電が完全か確認しておく」といった措置を行うことは基本として実施した方が良さそうだ。

 サーバーではないが、アイオーデータやバッファローからは、自社のLAN接続型HDD製品、RAID構成HDDについて「停電開始前にシャットダウン操作を行なってください」との注意が発表され、シャットダウン手順とともに、Webサイトに掲示されている。

〇アイオーデータ:東京電力株式会社の計画停電開始に向けての、弊社製品の停電前準備のお願い
http://www.iodata.jp/news/2011/important/20110314teiden.htm
〇バッファロー:東京電力の計画停電について(停電による製品故障の防止)
http://buffalo.jp/support_s/20110314.html

 また、IP電話に関しては停電時には利用できなくなる。IP電話を利用する企業は、顧客向けに停電の際の緊急連絡用電話番号を告知することも必要となるだろう。

 今後、システム機器の停電対策に関する情報がベンダー側から提供された際には、随時、情報を更新していく。
【17:35 更新】

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