IBMの発明家が自然災害を分析、判定、予測できる警告システムを開発
[米国ニューヨーク州アーモンク 2010年10月22日 (現地時間) 発]
IBM(本社:米国ニューヨーク州アーモンク、会長サミュエル・J・パルミサーノ、NYSE : IBM) の発明家が、アナリティクスを用いて、自然災害発生後の効率的な緊急対応が求められる都市部やその他の地域での災害後の救援活動を、効果的かつ迅速に行うことを支援する自然災害警告システムを開発し、特許を取得しました。このシステムは、二次災害の発生予想地域と発生予想時期の正確な予測と、予測に基づいた救助活動の支援も提供します。
当技術は、地震発生後の地震活動の正確で詳細な分析や、地震による津波発生の早期予測などを実現することができます。またこのシステムは、地震被害地域を迅速に測定および分析し、地震発生後の救助活動の優先順位の決定も支援します。
このシステムは、コンピュータ内に搭載されたハードディスク・ドライブのMEMS加速度計と呼ばれる振動センサーから取得したデータを基に、地震活動に関する情報を素早く分析し、判定します。この技術はハードディスク・ドライブに組み込んだセンサーからデータを収集し、高速ネットワークを介してデータ処理センターに送信することで、リアルタイムでデータ分析、規模の分類、データの裏づけを取ることを可能にします。
多数のハードディスク・ドライブの振動センサーから、刻一刻と集まってくるデータを迅速に分析することにより、地震活動の開始時期、地震活動持続時間、活動規模、振動頻度、振動方向などを正確に特定することができます。これらの情報は次に、意思決定者や、救助活動を行う警察、消防署、連邦緊急事態管理局、その他のサービス・プロバイダーなどに届けられます。
地震の物理的過程や地震予測は研究が進んでいる科学分野ではありますが、研究に使われる地震計技術は、世界的にも限られた範囲にしか普及していません。このため、限られた地域でしか地震データを取得することができず、救助活動の支援に必要な災害後の分析も進んでいないのが現状です。また地震計からは、どの地域で救助活動が必要とされているかを特定するための詳細なデータは得られず、津波などの発生を予測することもできません。
IBMの開発者、ロバート・フリードランダー(Robert Friedlander)とジェームズ・クレーマー(James Kraemer)の発明は、米国特許第7,693,663号「地震および津波の予測システムおよび方法と、階層分析、脅威分類および警告システムへのインターフェース*」を取得しました。
IBMの自然災害警告システムの開発や、その他のIBM取得特許に関する詳細については、こちらをご覧ください:IBM Inventors' Corner(英語)
* U.S. Patent#7,693,663 “System and method for detection of earthquakes
and tsunamis, and hierarchical analysis, threat classification, and
interface to warning systems”
以上