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Windows 10の2016年版アップデート「Anniversary Update」、今夏にリリースへ
2016年3月31日 11:36
米Microsoftは30日(米国時間)、米国サンフランシスコで開催されている開発者向けのカンファレンス「Build2016」において、Windows 10の2016年版のUpdate「Anniversary Update」を夏にリリースすることを発表した。アップデートは無償で提供される。
Anniversary Updateは、以前からRedstone1(RS1)というコード名で開発されていたUpdateだ。
Anniversary Updateでは、ナチュラルインターフェイスの向上を目指している。例えばペンデバイスを利用し、非常に簡単なジェスチャーでWindows 10を利用することができる。アプリケーション側がペンデバイスAPIに対応していれば、画面上に物差しが表示され、ペンで簡単に直線を引くことができる。
Windows 10対応のAdobe Illustratorでは、ペンを使ってラフに書いたイラストを、しっかりした線で本格的なイラストに仕上げられる。ペンで書き込んだラフのイラストを認識して、綺麗な線に修正して書き上げることが可能という。
また、デジタルアシスタントCortanaの機能が拡張されている。OutlookやLineなどのアプリケーション側でCortana APIをサポートすることにより、アプリケーションが持つさまざまなデータの意味をCortanaが認識する。Cortanaは、認識したデータを使って、ユーザーが必要とする作業をサポートしてくれる。
例えば、ミーティングを開催するメールをOutlookで受け取った場合、自動的にOutlookのスケジュールに書き込んだり、スケジュール帳をチェックしてバッティングがないかを確認し、もし、同じ時間に予定が入っていた場合は、Cortanaが注意したりしてくれる。こうした場合は、ユーザーがどの予定を優先するかをCortanaに話せば、もう1つのミーティングのユーザーに参加できない旨のメールを送ってくれる。
数十年前にMicrosoftやAppleがパーソナルデジタルアシスタンスをいうコンセプトを打ち出したが、現実化され始めたのはここ数年のことだ。Microsoftでは、PCやスマホの中にあるデータの意味を認識して、Cortanaが本当の意味でデジタル秘書として利用できるようにしていくという。
また、WebブラウザのMicrosoft Edgeでは、WebサイトのログインにWindows Helloが利用できるようになる。これにより、WebサイトへのログインにIDやパスワードを使うのではなく、顔認識や指紋認識(生体認証)などでログインできるようになる(Webサイト側での対応は必要)。
Webサイトなどのログインに同じIDやパスワードを使い回して、セキュリティ面で問題になっているが、Windows HelloをEdgeで利用できる用になれば、ユーザー自身がIDやパスワードを覚えて(紙に書きとどめて)おく必要がなくなる。