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NTT ComとALSOK、AI技術を活用した複数カメラをまたぐ不審者検出・追跡技術を開発

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は30日、Deep Learning(深層学習)などを含む人工知能(AI)技術を活用し、不審者の動作検出や複数カメラに映る同一人物の推定などを実証する実験を、綜合警備保障株式会社(以下、ALSOK)と連携して2015年12月~2016年1月に実施し、高い精度での検出に成功したと発表した。

 共同実験では、1枚の画像から特定人物の特徴をAIを利用して抽出し、複数のカメラを跨いだ映像から同一人物の候補を推定して提示する「再照合技術」と、映像データの解析により人の動作を高精度に識別し、あらかじめ検知したい「きょろきょろする」「荷物を置く」などの動作をAIに学習させておき、映像データからそれらの動作を自動検知する「時系列Deep Learning技術」について検証を実施。それぞれ、高い精度での検知を実現した。

フィールド実験の様子

 再照合技術は、何らかの犯罪行為が発生した際に、不審人物の画像をもとに施設間/施設内のカメラをまたいで同一人物の行動を追跡するといった用途を、動作検知技術は、商業施設などにおいて該当の動作を行う人物を自動検知し、警備員に発報する用途などを想定している。

ユースケース例

 NTT Comでは、大型のオフィス商業ビル、大規模イベント、空港・税関などの重要施設、公共交通機関や大規模集客施設などのそれぞれのユースケースに応じて、ALSOKとともに2016年度も引き続き実証実験などを通じて有用性を確認するとともに、導入を進めていくと説明。映像データの解析を可能とする「映像解析プラットフォームサービス」(仮称)の提供を検討しており、店舗や製造工場における不審行動の検出、2020年に向けて観光客の増加が見込まれる多くの施設における防犯対策などに応用できるサービス開発を今後も進めていくとしている。

三柳 英樹