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第3のプラットフォームによるITインフラ刷新、8割以上の企業が取り組むも全社横断的な取り組みには至らず~IDC Japan調査
(2016/3/31 06:00)
IDC Japan株式会社は30日、第3のプラットフォーム技術(モビリティ、クラウド、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を用いてITインフラストラクチャーを刷新する「エンタープライズITトランスフォーメーション(EIT)」について、国内ユーザー企業の取り組み実態に関する調査結果を公表した。
調査は、国内ユーザー企業のCIO(IT担当役員やIT部門の管理職を含む)を対象として1月に実施したウェブアンケートをもとに、IT環境の導入状況を客観的に評価するためにIDCが開発した手法「IDC MaturiyScape」により、EIT成熟度を分析したもの。回答数は176人。
「IDC MaturiyScape」は、特定のIT環境について、まったく導入していない場合をレベル0(未導入)とし、導入後のユーザー企業の成熟度をレベル1(個人依存:基本IT)、レベル2(限定的導入:第2のプラットフォーム基盤のIT)、レベル3(標準基盤化:第3のプラットフォーム基盤のIT)、レベル4(定量的管理:ビジネスのイノベーション)、レベル5(継続的革新:ビジネスの変革)の5段階で評価している。
調査では、ユーザー企業のEIT成熟度を、「戦略とイノベーション」「組織開発とタレントマネジメント」「ITサービスマネジメント」「エンタープライズアーキテクチャ」「ベンダーソーシングマネジメント」の5つの評価項目から総合的に分析。ユーザー企業の総合的なEIT成熟度は、レベル1が3.2%、レベル2が27.1%、レベル3が56.6%、レベル4が8.6%、レベル5が4.4%で、限定的導入ステージ(レベル2)と標準基盤化ステージ(レベル3)に分布される企業の合計が全体の8割以上を占めた。
IDC Japanでは、第3のプラットフォームの潜在的効果を認知し、第3のプラットフォーム技術の導入を進めているものの、ビジネス戦略と一体となった全社横断的なEITの取り組みが実現できていない企業がほとんどであると分析している。
また、財務的成果を出している企業(リーダー企業)と、そうでない企業(フォロワー企業)では、EIT成熟度が標準基盤化ステージ(レベル3)から、定量的管理ステージ(レベル4)にステップアップできている企業数に差が表れたと説明。リーダー企業はより高いステージに向けてなだらかな分布になっているのに対し、フォロワー企業にとってはレベル4が大きな壁になっており、「第3のプラットフォーム活用に関する明確なビジョンを掲げ、IT部門がビジネス部門と一致団結して、EITを全社横断的に推進していく」ことの難しさが表れているとしている。
IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は、「国内のユーザー企業のほとんどがEITに取り組んでおり、ビジネス変革への対応を進めようとしているが、横並び感が否めない。今、多くのCIOに求められるのは、競合相手を凌ぐ勢いでEITをけん引することであり、真のビジネス変革に向けて、横並び意識から一歩抜け出すことである」と述べている。