ニュース

2015年の国内サーバー市場、出荷額は前年比7.3%増の5070億円、出荷台数はサーバー集約などで前年比2.0%減

 IDC Japan株式会社は28日、2015年の国内サーバー市場動向を発表した。2015年の国内サーバー市場規模は5070億円で、前年から7.3%増加。出荷台数は56万2000台で、前年から2.0%減少した。

国内サーバー市場の推移:2005年~2015年(出展:IDC Japan)

 2015年の国内サーバー市場は、2009年以降では最も高い出荷額となり、製品分野別ではx86サーバーが前年から出荷額を増やしたが、メインフレームやその他のサーバーの出荷額はマイナス成長となった。出荷台数は、前年に比べてすべてての製品分野で減少しており、x86サーバーの出荷台数も6年ぶりのマイナス成長となった。新規需要による増加に比べて、サーバー集約による減少が大きかったと分析している。

 IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの加藤慎也氏は、「2015年の国内x86サーバー市場では、前年に比べて平均単価の上昇により出荷額が増加した。円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことに加え、サーバー集約による1台当たりのメモリーなど、オプション類の増加が背景にある」と述べている。

 出荷額ベースのベンダーシェアでは、富士通が23.9%で首位を獲得。前年に比べ、HPC専用機の大型案件が貢献。x86サーバーは2ケタのプラス成長だったが、メインフレームは2ケタのマイナス成長となった。2位はNECの23.0%で、x86サーバーが2ケタのプラス成長となり、メインフレームもプラス成長を確保したが、その他のサーバーは大幅なマイナス成長となった。以下、3位は日本ヒューレット・パッカード(14.0%)、4位は日立製作所(9.2%)、5位はIBM(8.5%)。

2015年 国内サーバー市場ベンダーシェア【出荷額】(出展:IDC Japan)

 出荷台数ベースではNECが首位で、以下は2位が富士通、3位が日本ヒューレット・パッカード、4位がデル、5位が日立製作所、6位がレノボの順となった。NECとレノボ以外の上位ベンダーでは出荷台数が減少しているが、一方で、ODM Directの出荷台数は前年に続いて増加し、上位ベンダーに相当する規模になっている。

 2015年第4四半期(10月~12月)のサーバー出荷額は1199億円で、前年同期比で10.5%減少。出荷台数は13万台で、前年同期比で8.9%減少した。x86サーバー市場の出荷額は、平均単価の上昇により前年同期比で14四半期連続のプラス成長となったが、出荷台数はサーバー集約が進んだことでマイナス成長となった。また、メインフレームやその他のサーバーは大幅なマイナス成長となった。

三柳 英樹