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「企業がソフトウェア企業になりつつある中で――」、VMwareがSDDCの最新動向を説明
(2016/3/14 06:00)
ヴイエムウェア株式会社(VMware)は11日、プレスラウンドテーブルを開催。SDDC(Software-Designed Data Center)の最新動向について、米VMware社のラグー・ラグラム氏(クラウドインフラストラクチャおよび管理ソリューション担当上級副社長)が話した。
ラグラム氏はまず、「すべての企業がソフトウェア企業になりつつある」と企業のデジタル化の流れを説明。「新しいことをするにはSDDCが必要」と語った。
VMwareのビジョンは、「どのクラウドでも、どのアプリケーションでも」ということだ。ここで、パブリッククラウドからプライベートクラウドまで、アプリケーションをまたがっていかに管理していくかが鍵となる。これらを1つのクラウドとして管理をシンプル化するのがSDDCだ。
ラグラム氏はユーザーを見てきてわかったSDDCのユースケースとして、クラウド化によってオンラインの機能をすぐに追加できるようにする「IT部門の自動化」、サーバーやネットワークの仮想化によって企業内のインフラを小さな単位に分離する「マイクロセグメンテーションによるセキュリティ」、アプリケーションの配備を迅速にする「DevOps対応」の3つを挙げた。
こうしたSDDCは、Software-Definedなサーバー、ネットワーク、ストレージからなる。このうちネットワーク仮想化のための製品であるVMware NSXについて、ラグラム氏は「NSXのビジネスははずみがついている」として、1200件以上の顧客や、250件以上の実運用があると紹介した。「多くの企業では、80%のトラフィックがデータセンター内のもの。こうしたトラフィックを、NSXによりマイクロセグメンテーションの形で管理する」(ラグラム氏)。
ストレージ仮想化としてはVirtual SAN(VSAN)がある。「VSANによって、高速なフラッシュストレージと比較的安価なハードディスクを組み合わせて利用できる」とラグラム氏。氏は2月にリリースされたVSAN 6.2について、オールフラッシュストレージとの組み合わせを中心に、領域利用効率や性能、スケールアップ対応の向上をアピールした。
こうしたSDDCのクラウド管理プラットフォームとしては、「vRealize Operation」「vRealize Automation」「vRealize Business」からなる「VMware vRealize Suite」が紹介された。「新しいvRealize Suite 7(2月リリース)では、新しい形でアプリをデプロイでき、それにあわせてインフラの設定も自動化される」(ラグラム氏)。
ラグラム氏は最後に、SDDCの成功例として、Tribune Mediaの事例を紹介した。同社ではSDDCにより54のデータセンターから7ラックにインフラ設備をコンパクト化したという。それにともない、管理チームも小さくなり、小回りがきいてレスポンスも速くなった、と氏はその効果を語った。