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富士通研究所、多様なIoTデバイス管理を容易にするプラットフォームを開発
(2016/3/10 16:43)
株式会社富士通研究所と富士通研究開発中心有限公司(以下、FRDC)は10日、IoTサービスの運用管理において、多種多様なセンサーやデバイス、ゲートウェイ機器の動作状態や接続するネットワークの状態を一元管理し、安定的な運用を可能とするためのソフトウェアプラットフォームを開発したと発表した。
富士通研究所とFRDCでは、IoTの実用化が進み、膨大な数や種類の機器を接続してサービスが提供されるようになると、これらの機器をクラウド上にある運用管理ダッシュボードなどから遠隔で管理し、機器の故障やネットワークのトラブルを迅速に把握するなどの効率的な対応が求められると説明。一方、IoTデバイスとゲートウェイ機器やこれらを結ぶネットワーク機器などのIoTのフロントエンド部分を構成する機器の運用管理では、それぞれの機器からの収集可能な情報の形式が定まっておらず、公開されていない情報も多いため、障害が発生した場合の状況の把握や、問題の特定、対策に手間がかかるといった課題があるとしている。
開発したプラットフォームでは、障害の原因分析に必要なIoTデバイスやネットワークの稼働状況などの監視情報を一元管理可能にするための共通API(IoTフロントAPI)を規定。この共通APIとIoTデバイスとのインターフェースの差異をプラグイン形式で吸収する機能を実現した。
収集する情報は、過去のトラブル対応実績などから障害分析に必要な情報を抽出して規定。共通APIから得られる情報をデータベースに集約し、障害分析APIによりトラブル分析を可能とするIoTフロント情報管理機能を実装した。これにより、IoTデバイスやネットワークの遠隔監視や障害分析ツールの開発が容易になるとともに、デバイス選択の自由度が向上し、システムが大規模化した場合の柔軟性も高まるとしている。
ソフトウェアプラットフォームは、主にゲートウェイ機器上で動作し、ゲートウェイ機器とIoTデバイスはアダプターを介してWi-FiやBluetoothなどの近距離無線で接続される。収集する情報のうち、無線の障害監視に関するAPIについては、IEEE 802.1CFでの標準化を推進している。
富士通研究所とFRDCでは、接続デバイスや無線方式を追加し、規模を拡大した実証実験を進め、2016年度末の製品化を目指す。また、プラットフォームに実装した監視情報の共通APIについて、国際標準化に向けた活動を進め、IoTサービスの運用管理をより容易にするためのエコシステム構築を目指すとしている。