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国内データセンターコンサルティング/構築市場、2015年の市場規模は4038億円

今後はクラウドマイグレーションが市場拡大を牽引

 IDC Japan株式会社は24日、国内データセンター内におけるITインフラ関連コンサルティング/構築市場の予測を発表した。企業のシステムインフラを従来のサーバー環境からクラウドサービス環境へ移植するための投資が拡大するため、同市場は堅調に拡大する見込みだとしている。

 IDC Japanでは、データセンター内のITインフラ関連コンサルティング/構築市場を、データセンターに設置されるサーバー/ストレージ/ネットワーク機器などの最適化/設計/構築に関するサービスの市場と定義。同市場の2015年の市場規模は4038億円、2020年までの年間平均成長率は1.6%で、2020年の市場規模は4367億円に達すると予測している。

 国内の企業や団体では、ITインフラをクラウドサービス環境へ移植するための取り組み(クラウドマイグレーション)が盛んになっており、同市場の拡大を牽引していると説明。同時に、こうした需要増加に対応するために、多くのITサービスベンダーがクラウドマイグレーション関連サービスを強化しており、特に、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、IBM SoftLayerなどの大手クラウドサービスと、国内ITサービスベンダーのデータセンターや顧客の企業内データセンターを組み合わせてインフラを構築する「ハイブリッド型」のクラウド環境導入に関するサービスを強化しているという。

 ハイブリッド型インフラ環境の設計と導入は複雑なプロジェクトになることが多く、専門のコンサルタントや構築エンジニアによる支援の重要度を増すものとみられる。こうした動向を背景に、クラウドマイグレーションが市場に占める比率は、2015年の19%から2020年には46%に増加すると予測している。

 今回の調査対象には、クラウド事業者やITベンダーのデータセンター(事業者データセンター)と、金融機関、官公庁、製造業などの一般企業のデータセンター(企業内データセンター)の両方が含まれている。IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「事業者データセンターと企業内データセンター、外部クラウドサービスを組み合わせてハイブリッド型環境として運用するためには、運用自動化や効率化などの取り組みが重要となるだろう」と分析している。

三柳 英樹