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富士通、Deep Learning適用で「データキュレーションサービス」を強化

 富士通株式会社は4日、ビッグデータ分析サービス「FUJITSU Intelligent Data Service データキュレーションサービス」に、新たな分析手法としてDeep Learningを適用し、提供を開始した。

 専門スキルを持つ富士通のキュレーター(データサイエンティスト)が、ビッグデータ専用の分析基盤などを用いて顧客のデータを分析し、Deep Learningを導入した場合の効果を検証するサービス。新ビジネスの創出や業務改革に向けて、自社で保有する画像や音声などのデータを有効活用したい顧客向けに提供する。サービスの活用により、自社で分析を行うのに比べて、初期投資を抑えながら短期間での検証が可能となる。

Deep Learningを用いた「データキュレーションサービス」イメージ

 富士通のキュレーターが、顧客の保有する画像・音声などのデータを預かり、顧客の目的に合わせた効果検証のフレームワークを適用する。Deep Learningを用いて約2カ月でデータ分析モデルの作成と評価を行い、結果をレポートする。顧客は結果をもとに、具体的なデータに基づいた新ビジネスの創出や業務改革を検討することが可能となる。

 さらに、サービスで作成したデータ分析モデルをビジネスに活用したい顧客には、分析モデルの提供や活用のためのコンサルティング、システム構築なども行っていく。

 これまでの「データキュレーションサービス」で行っていた、機器のログや顧客・商品情報など発生した情報の分析による予測モデルの提供に加え、今回、画像や音声などのデータにDeep Learningを適用した学習・認識モデルを提供することで、ヒトの五感に対応したより精度の高いサービス開発や業務改革を支援していくとしている。

 富士通では、株式会社クーシーと連携し、同社が運営する国内最大級のコスメ・美容情報サイト「Hapicana(ハピカナ)」の新サービス開発に向けた共同プロジェクトを開始。5万点の顔画像データに対し、Deep Learningを用いた学習を80万回行った結果、輪郭、目、鼻、唇など顔を構成する各パーツの形や肌の色など、顔に関する特徴から8種類の顔型を作成した。

 富士通とクーシーではこの結果をもとに、さらなる検証・評価を行い、「Hapicana」を訪れたユーザーの顔の特徴に合ったメイクのアドバイスやおすすめアイテムの紹介など、ユーザーがよりサイトを楽しむための様々なサービスの開発につなげていくとしている。

Deep Learningを活用した「Hapicana」の顔分類モデル

三柳 英樹