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富士通、南都銀行のスマホアプリサービス基盤に地方銀行初となるmBaaSを提供

 富士通株式会社は25日、株式会社南都銀行のスマートフォンアプリケーションサービス向けに、金融情報システムセンター(FISC)の「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」が要求するセキュリティレベルに対応したmBaaS(Mobile Backend as a Service)オープンプラットフォーム「FUJITSU Cloud Service Smart Biz Connect for Finance(SBCF)」が採用されたと発表した。地方銀行でmBaaSが採用されるのは今回が初めてだという。

 SBCFは、スマートフォンアプリケーションサービスの開発・提供にあたって、会員登録・認証機能やプッシュ型情報通知機能など、共通的に必要となる機能をあらかじめクラウド上に実装し、APIとして提供することで、サービス構築の短期化やコスト削減、複数ベンダーのスマートフォンアプリケーションの統合運用を可能にするmBaaSオープンプラットフォーム。

 SBCFは、金融機関がFintech企業など複数のベンダーからスマートフォンアプリケーションを調達、提供していくことを前提に開発されており、複数のベンダーが開発したアプリケーションを、運用ポータルから一元的、かつ効率的に運用・管理することが可能。国内で唯一、FISCの「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」に対応したmBaaSオープンプラットフォームであるため、個人情報の取り扱いが発生するスマートフォンアプリケーションであっても、安心して導入できるとしている。

 機能面では、スマートフォンアプリケーションサービスを実現する上で共通的に使用される機能をAPIとして多数実装。それらのAPIを活用することで、金融機関はアプリケーション開発やFintech企業のアプリケーションとの連携を、開発コストを抑えながらスピーディーに実現でき、mBaaSを使わない場合と比較して、開発・運用コストを最大で70%削減、開発期間を80%短縮できるとしている。

 南都銀行では、提供を始める新たなスマートフォンアプリケーションサービスの第一弾として、SBCFとネットムーブ株式会社のアプリケーションを連携させ、ICキャッシュカード一体型クレジットカード会員向けの情報発信サービスを、2016年3月に提供開始する予定。南都銀行とネットムーブは、富士通主催のFintechコンソーシアム「Financial Innovation For Japan(FIFJ)」の加盟企業であり、FIFJを契機として金融機関とFintech企業が結びついた初めての事例になるという。

 富士通では今後も、SBCFの提供とFIFJを通じて、金融機関のFintechサービスのスムーズな導入・展開支援を行っていくと説明。今後3年で、40以上の金融機関にSBCFを導入することを目指す。

三柳 英樹