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シンプレクス、金融機関向けシステムのクラウド対応にIBM「SoftLayer」を採用

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は25日、シンプレクス株式会社が金融機関向けソリューションにIBMのクラウド「SoftLayer」を基盤として採用し、2016年度にサービス提供を開始すると発表した。

 シンプレクスは、メガバンクや大手証券など主要な金融機関向けに、金融商品の取引やリスク管理業務を支援する独自開発のITソリューションサービスを提供している。これらのサービス基盤は、金融システムとして要求される高度な要件により、顧客もしくは自社によるオンプレミス型の基盤運用を採用しているが、シンプレクスでは今後のソリューション導入時の選択肢として、クラウド基盤への対応を追加することが営業戦略上重要と考え、その検討を進めていた。

 日本IBMでは、SoftLayerはベアメタル(物理サーバー)のクラウド提供を特徴とし、高性能のコンピューター環境、高い安定度、管理の容易性を実現。SoftLayerに関するFISC(金融情報システムセンター)の安全対策基準とのベンチマークを実施しており、金融業務向けに求められる厳しいシステム要件にも対応。さらに、同一データセンター内での冗長化された構内回線による高品質かつ高速なネットワーク接続を提供する「ダイレクトリンク・コロケーションサービス・プロバイダー」により、金融機関向けソリューションに求められる安定した高速処理を実現するとしている。

 これにより、シンプレクスでは金融システムとして要求される高度なセキュリティー要件を満たしたクラウド対応のサービスを追加し、ソリューション導入の選択肢を拡充できたと説明。日本IBMでは、今回のシンプレクスによるSoftLayerの採用は証券業界向けソリューションのシステム基盤にSoftLayerが選定された国内初の事例だとして、今後も金融業務におけるクラウドの活用をより一層推進していくとしている。

三柳 英樹