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TIS、AI関連ビジネスの専任組織「AI技術推進室」を設立

 TIS株式会社は2日、AI(人工知能)関連ビジネスのための専任組織「AI技術推進室」を設立したと発表した。設立は11月1日付けで行われている。

 TISでは、5年スパンの中長期的に取り組む技術領域として「Cyber-Physical Systems」構想をコンセプトに掲げており、それを構成・実現するための要素技術をAI関連の「機械学習」「自然言語処理」と、「IoT(Internet of Things)」「SDI(Software Defined Infrastructure)&オーケストレーション」「ネットワークロボティクス」の5つの分野に定め、各分野で施策を行っている。

 今回の「AI技術推進室」新設は、その一環として行われるもので、「機械学習」「自然言語処理」にかかわるAI技術の強化を図ることが目的。両分野に関するAI技術の検証・開発、関連技術を用いたサービスおよびソリューションの開発と、先進顧客とのPoC(Proof of Concept:概念実証)実施などを行っていくという。

 例えば、製造業、流通業、サービス業などの企業には、コールセンターでの会話ログ、問い合わせ履歴、品質に関するドキュメントなど、自然言語によるドキュメントが社内で十分に活用されていないまま存在することがある。これらに対し、自然言語処理と機械学習を行って自動分類・分析することにより、顧客向けサービスや社内プロセスの改善につなげることを目指すとした。

 また、顧客向けサービスや企業内システムで、人手によってメンテナンスされているマスタデータの中には、一定のルールに基づいて人が判断しているものがある。機械学習技術を用いて、こうしたルールの実装、またはルールそのものの抽出の自動化を実現し、業務の効率化を図るとのこと。さらには、企業内の問い合わせ対応業務において、自然言語による質問応答または対話のシステムを利用し、支援または代替することも目標の1つとした。

 なおTISでは、AIを含む技術戦略に対して、中期的に約20億円の研究開発投資を行い、その成果をソリューションおよびサービスに適用。競争力強化とビジネス拡大を目指す考えだ。

石井 一志