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日本ヒューレット・パッカード、ビッグデータ分析データベース「HP Vertica」新バージョンを発表

 日本ヒューレット・パッカード株式会社は27日、ビッグデータの高速分析用データベース「HP Vertica」の新バージョンを発表した。新バージョンは2015年中に販売開始予定。

 「Excavator」というコード名を持つHP Verticaの新バージョンでは、IoTデータの高速分析を強化するデータストリーミング分析と高度なログファイルテキスト検索を提供。最適化された「Hadoop」性能、分散型メッセージングシステム「Apache Kafka」との統合、「Distributed R」による予測分析の高度化など、オープンソース技術を広範囲にサポートする。

 データストリーミング分析については、オープンソース分散型メッセージングシステムの「Apache Kafka」のネイティブサポートを提供。IoTなどの高速ストリーミングデータを素早く、ほぼリアルタイムで取り込んで分析できるようにする。この機能により、製造プロセス制御やサプライチェーン最適化、ヘルスケアモニタリング、金融リスク管理、不正検出など、幅広い使用事例に対して実用的な洞察力を提供するとしている。

 また、高度なマシンログテキスト検索機能の提供により、システムやビジネスアプリケーションにより生成された大きなログファイルのデータセットを収集してインデックスを生成することが可能になり、IT部門はアプリケーション障害やサイバー攻撃を素早く確認し予測して、認可されたアクセスおよび不正アクセスを調査できる。

 オープンソース技術との組み合わせについても強化。新バージョンでは、ORCやParquetのような一般的なHadoopフォーマットでの性能を大きく向上しており、Hortonworksとの協力により、SQLクエリーをORCファイル上で直接実行できる新しい高性能アクセスレイヤーを開発し、実行時間を5分の1に短縮した。

 また、HPでは、HP Verticaを「Apache Spark」に統合するという将来的な計画を発表。これにより、HP VerticaとSpark間でデータ転送速度を向上させることが可能になり、企業はSparkベースの導入を最大限に活用することができるとしている。

三柳 英樹