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2015年のOpenStackエコシステム国内市場は前年比2.5倍の20億4500万円に、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は26日、オープンソースのクラウドインフラ構築基盤「OpenStack」関連の国内市場について、市場予測を発表した。

 IDC Japanでは、企業や組織がOpenStackを使用してクラウド基盤を構築するために投資するハードウェア(サーバー、ストレージ、ネットワーク機器など)、ソフトウェア(OpenStackディストリビューション、OS、仮想化ソフトウェアなど)、プロフェッショナルサービス(コンサルティング、システム構築/開発など)の金額を、OpenStackエコシステム市場と定義。2014年の国内市場規模は8億1500万円で、2015年にはその2.5倍となる20億4500万円に達すると見込んでいる。

国内OpenStackエコシステム市場予測:2014年~2019年(出典:IDC Japan)

 2014年から2015年にかけては、大手のコンテンツサービスプロバイダーやSNSプロバイダー、パブリッククラウドサービスプロバイダーを中心に、OpenStackの採用実績が増加。また、導入の可否を判断するための検証を行う企業も増加しているという。

 今後もさらに市場規模の拡大は続き、2016年の国内OpenStackエコシステム市場は61億5000万円に、2014年~2019年の年間平均成長率は113.7%に上り、2019年の市場規模は363億4000万円になると予測。短期的にはサービスプロバイダーにおけるOpenStackの採用が市場成長を牽引していくが、中期的には大手一般企業のプライベートクラウド基盤における採用など企業向けの実績も増加していくと見込んでいる。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、「OpenStackはまだ発展途上にあり、今のところ導入するためには高度な技術とエンジニアを必要とする場合が多い。一方、国内における先進的な導入事例はOpenStackエンジニアの育成を促し、エコシステムの活性化をもたらしている。今後はOpenStackの成熟化が進み、エンジニアの裾野も拡大していくことで、一般企業への導入が増加していくとみられる。ITサプライヤーはOpenStack成長期における市場機会の獲得を確実なものとするために、いち早くOpenStackの実績を積みノウハウを取得することが重要である」とコメントしている。

三柳 英樹