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キヤノン、医療画像を統合的に管理・共有できるクラウドソリューション

 キヤノン株式会社とキヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は、さまざまな医療画像を統合的に管理・共有するクラウドソリューション「統合医療画像管理システム」を2016年3月上旬より提供開始すると発表した。クリニックや一般病院、在宅医療にかかわる医療従事者の利用を想定しており、利用料金はデータ容量に応じて課金される予定。

 「統合医療画像管理システム」は、さまざまな医療画像を患者情報と関連付け、統合的に管理・共有できるようにするクラウドソリューション。画像俯瞰(ふかん)機能により、エックス線やCTなどの医療画像に加えて、デジタルカメラの静止画、動画、さまざまな文書を、画像ポータル内で患者ごとに管理・閲覧できる。こうした画像はWebブラウザ上で表示されるため、さまざまな端末から利用できるほか、画像種別と時系列のマトリクス表示により、医療従事者が患者の治療経過を素早く確認し、医療画像の管理と閲覧を効率的に行えるよう支援するとした。また、連携施設の画像も表示できるようにしているので、地域連携医療への活用も想定しているとのこと。

 加えて、帳票スキャン機能と画像取り込み機能により、医療帳票およびデジタルカメラやスマートフォンなどの画像を、簡単にクラウドサーバーへ送信できる仕組みを用意した。

 前者は、非定形医療帳票をスキャナで読み取ると、患者情報(患者ID、診療科、帳票種別)を自動的に認識し、病院内の患者情報と関連付けてクラウドサーバーへアップロードする機能。これにより、院内外を問わず、患者のIDや診療科、帳票種別を元にした検索やファイリングが可能になる。

 後者の画像取り込み機能は、院内外で撮影したデジタルカメラやスマートフォンなどの画像を、病院内のデータベースと連携し、患者ごとに登録して安全に管理するもので、インターネット環境さえあれば、ポータル画面を通じてどこからでも画像を参照できるため、在宅医療や介護などの現場での活用が可能になるとした。

利用画面の一例

 なおキヤノンでは、クラウドを活用したシステムにより、在宅医療など病院外と病院やクリニックなどとの画像連携、グループ病院間や中核病院とクリニック間の画像連携を促進する考え。また、今後は「統合医療画像管理システム」をプラットフォームとして、画像処理・解析機能を強化し、医療画像の管理業務や画像診断にかかわる業務を支援する新サービスを付加していく予定としている。

石井 一志