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日本IBMとNI+C、地銀向けのアプリ開発コンソーシアム設立 Bluemixを活用
(2015/10/22 06:00)
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)と日本情報通信株式会社(以下、NI+C)は21日、地方銀行がIBMのPaaSサービス「Bluemix」上でサービスを開発し運用することを支援する「地方銀行向けBluemixコンソーシアム」の発足を発表した。
同時に日本IBMは、マネーツリー株式会社のサービス「MT LINK」とBluemixとの協業を発表した。MT LINKは国内1500社以上の金融機関から明細データを取得し、対応アプリケーションから利用できるようにするサービス。このMT LINKとBluemixをAPIで接続する。今後、ウェルネットやfreee、Payward Japan、メリービズ、レジュプレスなども、同様にBluemixとのAPI接続に参加予定だという。
2つの発表を通じて日本IBMは、金融分野でAPIを活用した“FinTech”と呼ばれるジャンルのSoEサービス(ソーシャルやモバイルなどの新しいタイプのサービス)を支援する。
さらに日本IBMは、Bluemixのシステムをオンプレミスで使う「Bluemix Local」を国内で同日から販売開始したことも発表した(米国では10月1日リリース)。
地方銀行向けBluemixコンソーシアムは、地方銀行およびアプリケーション開発パートナーを会員とする。「アプリ開発・実行環境提供サービス」と「SoEアプリコンソーシアム運営サービス」の2つのサービスからなる。
アプリ開発・実行環境提供サービスとしては、セキュリティのため、Bluemixの専有型サービス「Bluemix Dedicated」を利用する。
SoftLayer東京データセンター上のBluemix Dedicated環境をNI+Cが運用管理してサービスを提供する。その中を専用区画(デフォルトで地銀向けは4GB、パートナー向けは8GB)に区切って会員に提供するため、1社でBluemix Dedicatedを利用するより利用コストは低い。銀行やパートナーとの間は、Bluemix Dedicated接続サービスにより専用線接続する。
また、SoEアプリコンソーシアム運営サービスとしては、Bluemixアプリ開発研修や、新テクノロジーやアジャイル開発手法などの情報共有の場を提供する。
価格は、地方銀行は月額100万円から、アプリケーションパートナーは月額135万円から(価格は区画のサイズやユーザー数による)。本番サービスは2016年1月開始予定で、開発環境はそれ以前から提供する。
発表時点で地方銀行としては、第四銀行、千葉銀行、中国銀行、八十二銀行、広島銀行、北洋銀行、武蔵野銀行が参加を検討。アプリケーションパートナーとしては、SCSK株式会社が参加を表明している。
記者発表の席において日本IBM 執行役員 クラウド事業統括担当の小池裕幸氏は、クラウドが「デジタルによる破壊」時代の原動力になっていると語り、そのために「APIエコノミー」と「エコシステム」が必須となると主張した。
また、地方銀行向けBluemixコンソーシアムの立ち上げの背景として、金融業界においてモバイルアプリなどSoEアプリのニーズが高まっていること、新しいテクノロジーや開発手法、運用ノウハウの習得が急務であること、コスト削減の必要の3つを挙げた。そして、Bluemixにおいて「APIエコノミー構築をリードし、FinTechやAdTechなどxTechといわれる分野で新たなビジネス領域を支援する」と語った。