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JFEスチールと日本IBM、基幹業務システムに関する戦略的アウトソーシング契約を更改

基幹業務のハイブリッドクラウド化を推進

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は14日、JFEスチール株式会社と基幹業務システムに関する戦略的アウトソーシング契約を更改し、2016年4月から2021年3月までの5年間の契約を締結したと発表した。

 JFEグループでは、グループ会社全体のIT基盤を集約・効率化するグループクラウドの構築を進めており、グループの情報会社であるJFEシステムズが構築済みの「JGranz IaaS」に接続する形で、JFEスチールの新たな企業内クラウド「J-OSCloud」の構築に、日本IBMとともに取り組む。

 なお、今回のシステム構築により、JFEスチールでは、基幹業務である鉄鋼生産管理システムや経営管理システムなどをJ-OSCloud上に移行可能になる。この新クラウドでは、システムの集約化・仮想化や、オープン化・標準化・自動化によって、コスト削減を実現しながら最新技術を柔軟に採用できるようになるため、ITガバナンスの強化と、業務の可搬性や継続性の向上といった効果が期待されている。

 同時に、クラウドの提供する機動性により、従来は2カ月以上を要していたシステム基盤構築期間を、約10日まで短縮可能になるとした。

 J-OSCloudのハードウェア基盤には、一般的なx86サーバーに加えて「IBM Power Systems」を利用。さらに、日本IBMのクラウドサービス「SoftLayer」との接続環境を用意し、処理量の急な増加時の対応や、アプリケーション開発用途などで利用できるようにする予定とした。

 また、IT運用サービスの一元化とシンプル化を実現する「IBM Control Desk」と、クラウドサービスの標準化・自動化を推進する「IBM Cloud Orchestrator」を、世界で初めて融合して構築されるとのこと。

 J-OSCloudは、2016年4月にサービスが提供開始となる見込みで、既存業務システムの移行先などの用途で利用が開始される予定だ。

石井 一志