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さくらインターネット、間接外気冷房を採用した石狩データセンター3号棟を建設

 さくらインターネット株式会社は29日、同社の石狩データセンターに、新しい空調コンセプトを採用した3号棟を建設すると発表した。2015年10月に着工し、2016年冬に竣工予定。

 石狩データセンターの1・2号棟は、北海道の冷涼な外気をサーバールーム内に取り込む直接外気冷房方式を採用し、一般的な都市型データセンターと比較して約4割の消費電力を削減している。既に1号棟のラック稼働率は9割を超え、2号棟の利用も進んできていることから、新たに3号棟の建設を決定した。

3号棟・鳥瞰パース(奥:3号棟、手前:1・2号棟)
3号棟・外観パース(中央:3号棟、左:1・2号棟)

 3号棟では、これまでの空調コンセプトを変更し、室外機と空調機の間を循環する冷媒を外気で冷やしてサーバールームを冷却する、間接外気冷房方式を導入。外気を室内に導入しないため湿度変動がなく、除湿器や加湿器、加湿のための給水などが不要となり、ランニングコストをさらに削減できるという。サーバールーム内の空調には、新たに上部壁吹き出し方式を採用し、送風ロスの低減と作業空間の快適性を両立する。

間接外気冷房の図

 設備面では、将来的な大型機器の導入や大量搬入に対応するために、搬入口からサーバールームまで電動フォークリフトでの走行を可能とする。配電設備においては、従来のケーブル方式ではなくプラグイン分岐機構をもつバスダクト方式を全面的に採用し、ラック増設、供給電力変更時などの電気工事を不要とし、電力使用の拡張性と柔軟性を向上する。

 また、1・2号棟での運用経験を活かし、石狩データセンター全体での設計を最適化した結果、3号棟の収容ラック数、スペース効率は大幅に向上し、従来棟比で約1.6倍のラック収容密度を実現。3号棟の最大収容ラック数は1900ラックとなり、既存棟を合わせた石狩データセンター全体での最大ラック数は3000ラックに達する。

三柳 英樹