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スマートリンクス、ビーコンを利用した高円寺阿波おどり連追跡の実証実験結果を公表

 スマートリンクス株式会社は、8月28日~29日に東京都杉並区高円寺で開催された「第59回 東京阿波おどり」で実施した、iBeaconを活用した阿波おどり連追跡の実証実験に関する結果を公表した。

 スマートリンクスでは、NPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会および杉並区商店会連合会青年部と連携。高円寺阿波おどり連協会に所属する30連の高張提灯(連の先頭を歩く連の看板のようなもの)にiBeaconを取り付け、アプリをインストールしたスマートフォンの位置情報と連動させることで、連の追跡を実現した。

 実験では、連協会所属の30連の位置情報を地図に表示でき、iBeaconを用いて連の追跡が可能であることを実証できた。また、3日間にわたって位置測位の頻度やサーバー、ネットワークの負荷についても計測でき、今後の実用化に向けた課題も抽出できた。

 実証実験のシステムでは、34個のビーコン(連用が30個、インフォメーションテントなどに4個)を準備し、連協会所属の30連の高張提灯にビーコンを取り付けた。アプリがインストールされたスマートフォンがこれらのビーコンを検知すると、端末が測位した位置情報をサーバーに送信、蓄積する。スマートフォンのアプリから「連追跡」のボタンが押された際には、サーバーに蓄積された位置情報から該当する連の最新の位置情報を抽出し、その位置情報を地図上に表示する。

実証実験システムの概要

 アプリダウンロード数は8月30日現在で3211件(iOSが2420件、Androidが791件)。3日間合計のユーザー数は1934人、位置情報の登録回数は1万6321回、特定の連の追跡回数は7万9788回、全体地図の追跡回数は6万4047回。

 また、ビーコンを検出した端末から送られてきた位置情報を、ビッグデータとして分析。位置情報のヒートマップでは、演舞場全体でアプリ使用者が密集していたことがわかるなど、データを分析することで阿波おどり開催中の人の流れや混雑具合などを把握することが可能になり、イベントの計画段階へのフィードバックも可能になると考えられるとしている。

ヒートマップ

 ヒートマップを時系列でアニメーションするようにしたものや、連が移動した軌跡などについては、ウェブ上で公開している。また、使用したビッグデータはオープンデータ(MITライセンス)として公開するほか、実証実験結果のレポートについてもPDF形式で公開する。

三柳 英樹