ニュース

陸上自衛隊第15旅団、富士通の災害救助活動支援サービスを導入

 富士通株式会社は24日、防衛省陸上自衛隊第15旅団が災害発生時の即応部隊の情報収集および指揮所との連絡手段として、富士通の災害救助活動支援サービスを導入したと発表した。沖縄県内の隊員と隊友会のメンバーが、6月24日からサービスを活用している。

災害時情報共有のイメージ

 サービスは、災害時などに現場で活動する隊員がスマートフォンからGPS情報とともに送信する、洪水、土砂崩れなどの災害状況の写真やメッセージを、富士通のデータセンターに集約。リアルタイムで地図上にマッピングして提供する。

 指揮所に設置しているPCや、隊員のスマートフォンからインターネットに接続してこの情報を参照できるため、指揮官と隊員、および現場の隊員の間で、現場の状況をリアルタイムで共有できる。また、地図上に隊員の所在位置を表示し、地図上で連絡をとりたい隊員を選択するだけで、その隊員とメッセージのやり取りができるコミュニケーション機能も提供する。

 これにより、指揮官は救助が必要な現場に最も近い隊員への指示や、隊員の一斉移動の指示が容易となるため、より迅速で効果的な災害救助活動に役立つとしている。

ユーザーを指定してメッセージを送信
エリア内のユーザーへメッセージを一斉送信

 7月24日に開催された、沖縄県内の自治体、警察、消防など約80機関が参加する大規模災害対処訓練でも、今回のサービスが活用された。訓練は、沖縄で大規模地震などが発生した際の被害を想定し、関係機関間の連携強化と災害対処能力の向上を目的としたもので、サービスの地域情報集約画面を、試験的に那覇駐屯地の体育館で大スクリーンに投影した。

 大スクリーンには第15旅団や隊友会メンバーが実際に屋外からサービスを利用して送信した現場の被災状況や対応状況が映し出され、第15旅団、隊友会メンバー、自治体がリアルタイムで現場情報を共有でき、迅速な被災地支援行動へつなげられるという効果があったため、第15旅団ではサービスの継続した活用を検討しているという。

官民合同での状況報告などを実施

三柳 英樹