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EMC VSPEXとVMware vCenter SRMでBCP対策を強化、越智建設

 株式会社ネットワールドは4日、越智建設株式会社が、ネットワールドの取り扱い製品であるEMCジャパンのリファレンスアーキテクチャ「EMC VSPEX」と、ヴイエムウェアのディザスタリカバリ製品「VMware vCenter Site Recovery Manager(SRM)」を導入したと発表した。事業継続対策の強化と業務データ活用の情報インフラ完備を目的としている。

 越智建設では数年前から情報インフラの再整備を進め、数万件に及ぶ業務データを集中管理できるようにしたが、交通事故による電柱倒壊で通信障害が発生した際、本社にアクセスできなくなり、全国約50カ所の拠点の業務が大きな影響を受けたことから、障害対策や広域自然災害対策の必要性への認識が高まっていたという。また、立地が海岸線や活火山の樽前山に近く、落雷による停電もしばしば発生するため、事業継続対策の強化が大きな課題になっていた。

 システム構築を担当したネットワールドのパートナー、リコージャパン株式会社では、コストや復旧時間に応じて3パターンの提案を行ったが、その中で最も高レベルの災害対策が行えるソリューションとして、VSPEXとVMware vCenter SRMによるシステムを導入した。

 今回構築されたシステムでは、データセンターと本社サーバールームの2カ所にそれぞれVSPEXを設置。VSPEXに採用されているストレージ「EMC VNX」の遠隔レプリケーション機能を利用し、両拠点間でのリアルタイムレプリケーションを行っている。これにより、万一メインシステムがダウンしても、待機側のシステムに切り替えてそのまま業務を継続できる。加えて、より確実なデータ保全を図るために、データセンター内にはEMCジャパンの重複排除バックアップストレージ「Data Domain」も導入した。

 なお、データレプリケーションはVMware側の機能を利用することも可能だったが、サーバーに負荷を掛けることなく確実なレプリケーションが行えるという点から、ストレージ側の機能で実施する方法を選定したとのこと。

 また新しいシステムでは、データセンター側のシステムをメインで利用するため、社内サーバーを利用していた時と同等のレスポンスが得られるかどうかが課題になったというが、VMware vCenter SRMのサイト切り替え機能が威力を発揮。全社展開に先立って事前検証した結果でも、レスポンスに差がないことが確認できたという。

 あわせて、VSPEXに採用されているシスコのサーバー「Cisco UCS」も業務効率化に貢献し、大量データ処理が行われる月末の決算時期でも、以前より快適に作業が行えるようになったとした。

 越智建設では今後、EMC VNXの圧縮/重複排除機能やCisco UCSの管理ツール「UCS Manager」など、VSPEXの持つさまざまな機能群も積極的に活用していく予定。さらに、新しいインフラを活用して、マイナンバー制度などの社会環境変化にも対応し、時代のニーズに即応していきたい考えだ。

石井 一志