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TIS、大嘉産業向けに業界特化型の販売管理システムを構築

タブレット活用や商品情報のリアルタイム管理で業務を効率化

 TIS株式会社(以下、TIS)は22日、大嘉産業株式会社の販売管理システム構築を支援したと発表した。新システムでは、商品情報のリアルタイム管理、ペーパーレス化、タブレット端末での写真撮影を活用した検品作業などにより、大幅な業務の効率化を実現したという。

 大嘉産業は、建設現場用の仮設資材のレンタル・販売を手がける企業。同社では、1990年代初頭に構築し改良を重ねた販売管理システムで、在庫確認、売り上げ情報の入力、請求書発行、仕入れ発注といった業務を行っており、営業から経理部門まで、全国20以上の拠点で、200人以上の社員が使用していた。しかし、老朽化によって機能拡張が困難になり、「各拠点に散らばる情報の一元管理が困難」「商品情報のリアルタイム性の欠如による、営業機会の損失」「紙による運用や重複した入力作業など効率の悪い業務作業」といった課題が発生していたという。

 そこで、業務プロセスに精通したメンバーを全国の拠点から選抜してプロジェクトチームを結成。約2年をかけて業務プロセスの見直しと統一を図り、精査されたシステム刷新の要件をまとめたRFP(提案依頼書)を、2012年6月にSIベンダー十数社へ提示した結果、独自の販売管理ソリューション「TradeCube(トレードキューブ)」をベースにした、TISの提案が採用された。

 大嘉産業では、「レンタル料金に日割りや一括といった細かな料金体系が混在する」「返却商品の破損の度合いにより補償金額が変動したり、その後の在庫管理方法が異なったりする」といった、業界特有の取引形態に対応できる、TradeCubeの柔軟なカスタマイズ性を評価したとのこと。また、TradeCubeをベースにしたアドオン開発と別パッケージ連携で、同社のすべての要件に対応したシステムを実現する提案内容や、1年強の期間の中で、RFPで求めた全機能を並行して開発する計画性なども評価されている。

 プロジェクトは当初の予定通り、約1年でサービスインを迎え、2014年1月から本稼働を開始した。新システムでは、当初の課題である「情報の一元管理」「商品情報のリアルタイム管理」「ペーパーレス化などによる業務効率の向上」などを実現。レンタル商品の在庫数・状況がリアルタイムに把握可能になり、顧客対応が迅速化したほか、見積もり・発注・請求などの業務がペーパーレスにより効率化された。さらに、タブレット端末での写真撮影によるレンタル商品の検品作業で、作業効率を大幅に改善したとしている。

 なおTISではTradeCubeを、卸・商社や流通業などの企業の基幹システム向けに提供し、2017年度末までに20件の導入を目指す考えだ。

石井 一志