ラリタン製PDUが第3世代に、「より正確な電力計測」が特長

LCDカラーディスプレイを採用

　ラリタン・ジャパン株式会社（以下、ラリタン）は9日、ラック用インテリジェントPDUの第3世代製品「PX3」を発表した。その最上位モデル「PX3-5000シリーズ」を6月22日から国内で販売開始する。

　同社製インテリジェントPDUは、電源管理用のコントローラーを内蔵しており、PDU全体またはコンセント単位で電流（A）、電圧（V）、電力（kVA、kW）、電力量（kWh）、力率（Pf）をリアルタイムに計測し、リモートからWebブラウザ経由やSNMPなどで管理できる製品。加えて、各種環境センサーなどを接続できるセンサー用ポートやWebカメラなどを接続できるUSBポートを備え、ラック周辺の環境情報（温度、湿度、気流、差圧、水漏れなど）の管理も可能となる。

　新製品のPX3-5000シリーズは、同製品の第3世代にあたり、1Wから誤差±1％のより高精度な消費電力計測を実現。また、ラッチ型リレーを採用しつつ、PDUの各コンセントへの通電をシーケンス制御できる設計により、一度に大量の電流が流れる突入電流を防ぐ。このため、万が一の電源障害からの復旧時にも安全性が確保されるという。

　さらにコントローラー部分をホットスワップで脱着可能にした。万が一コントローラー部分が故障した場合でも、給電を止めずに交換・修理が可能となった。そのほか、サーバーなどの機器が高密度に集約されたラック環境に耐えるべく、全モデルで60℃の最高動作温度に対応した。

コントローラー部分をホットスワップで脱着可能

　PX3-5000シリーズは、入力電圧（V）、最大供給電流（A）、PDU形状、入力プラグ/出力コンセント形状などの違いにより全7モデルを展開。市場想定価格は約10万円（税別）から。市場のニーズに応じて、下位モデルも順次提供する予定。

　このほか、ラック用インテリジェント電源自動切り替えスイッチの新製品「ラックトランスファースイッチ」も発売する。ラック内で給電の可用性を高めるために、二系統の入力電源を自動的に切り替える製品で、電気機械式リレーとシリコン制御整流子（SCR）を組み合わせたハイブリッド設計が特長。シリコン制御の静止型切替スイッチよりも低価格で、標準的な自動切り替えスイッチを上回る性能と信頼性を実現するという。